重松清『赤ヘル1975』~広島カープ好きに読んで欲しい

重松清『赤ヘル1975』
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広島を舞台にした物語野球が好きな人に特に広島カープファンは必読。
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あらすじ

1975(昭和50)年。原爆投下から30年が経った広島に、東京からひとりの少年が東京から引っ越してきた。東京からの転校生・マナブは、やんちゃな野球少年・ヤス、新聞記者志望のユキオと仲良くなり、少しづつ町になれてゆく。

この年、広島カープの帽子が紺から赤に変わった。赤ヘルの登場である。

マナブが転校してきたころ、カープは開幕十試合を終えて四勝六敗。

マナブの広島での新しい生活とともに、まだ誰も知らない広島カープの快進撃もはじまる!

日本で唯一の市民球団である広島カープが、最下位を脱して優勝するまでの劇的な数か月とリンクして、三人の少年たちの友情、ふがいない父親とマナブとの親子の物語が描かれる。

感想レビュー

いつもの重松さんらしい、少年たちの友情物語と思いきや、少年半分×カープ半分というくらい、カープ記事も満載。毎回登場する、ユキオの誤字脱字ばかりの壁新聞『赤ヘルニュース』もいい味出してるけどね。

主人公たちは、戦争を知らない世代の中学一年生。広島には、戦争や原爆のなごりが日常の中にあること、それを「よそモン」である自分はどう受け止めて関わるべきなのか、戸惑いながら少しずつ吸収していくマナブの変化に注目です。怪しい商売に手を出しては失敗ばかり繰り返している父親を「しかたがない」と受け入れているマナブの姿にも心打たれる。

そもそも、昭和二十年八月六日以降に生まれたひとはみんな、原爆については「よそモン」になってしまう。(中略)広島の街は「よそモン」がどんどん増えていく。戦争や原爆を知っている世代は、それでいい、と思ってくれるだろうか。

「平和がつづくんが一番じゃ。戦争やら原爆やらはしらんでもええ」と喜んでくれるのだろうか。それとも、心の片隅では、少し寂しくなってしまうのだろうか。(366ページ)

野球に詳しくない私でもカープの快進撃はおもしろく読めました。でもやっぱりスポーツは映像で見たい!そんな私のためにも、ぜひともドラマ化を希望。絶対、泣ける。

おすすめポイント

1975年の広島を舞台にした少年物語。この時代をリアルに体験してきたカープファンの方には、迷わず購入されることをおすすめします。

私立中学校国語入試問題に出典
【2015年】浦和実業学園中学校

著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。
出版社勤務を経て、1991年『ビフォア・ラン』でデビュー。学校を舞台に10代の心情を描いた小説も多く、多くの作品が映画化やドラマ化されベストセラーを生み出している。国語入試問題によく出典される作家としても、10代にお薦めしたい作家。
【主な受賞歴】
『ナイフ』坪田丈二郎文学賞受賞
『エイジ』山本周五郎賞受賞
『ビタミンF』直木賞
『十字架』吉川英治文学賞


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