原爆を語り継ぐ本~10代に読んで欲しいおすすめの本

戦争と平和

これまでの人間の歴史は争いの歴史である、とも言えます。世界の内外では常に争いが起こっています。これまでに世界は二度の大きな戦争を経験しています。第二次世界大戦が、それまでの戦争と大きく異なったのは、地球史上はじめて原子力による爆弾が使われたことです。

1945年8月6日広島の町に最初の原爆が投下されました。何が起こったのかだれもわからないまま、3日後の8月9日には続けて長崎が原爆の被災地となりました。

その威力は想像を絶するものでした。一瞬にしてあらゆるものを奪い去り、その悲しみや苦しさは人々の心に長い間消えることなく、いまも影を落としています。

日本は、世界で唯一の被爆国となりました。だからこそ、伝えていかなければならない忘れてはいけないことがあります。原爆について、10代に読んで欲しいおすすめの本を紹介します。年に1冊は、こうした本を選んで読んで欲しいと思います。読書感想文にもおすすめです。

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小説・フィクション

原爆について考える小説やフィクションを紹介します。

朽木祥『八月の光・あとかた』

七万人もの命を一瞬にして奪った「光」。原爆投下によって人々のかけがえのない日常は、どう奪われたのか。ヒロシマを生きた人々の「魂の記録」ともいうべき五つの物語。戦後七十年の今年、書き下ろし二編を加え待望の文庫化。

原爆に命を奪われたのは、ささやかな日常を生きているふつうの人たちでした。多くの命が一瞬で奪われることの恐怖、そしていつまでも消えない苦しみを静かに描いた連作短編です。10代に強くおすすめしたい、大人までみんなに読んで欲しい1冊。

朽木祥『光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島』

『八月の光』の作者でもある朽木祥さんは、被爆二世の作家さんです。終戦から25年の広島を舞台に、戦後生まれの中学生たちから見た「原爆」が語られます。多くの人が語ろうとしない「原爆」の本当の怖さ、悲しさ…著者自身の思いに近い小説ではないでしょうか。『八月の光』と合わせて読んで欲しい。中学生からおすすめ。

周防柳『八月の青い蝶』

中学生の時に被爆している亮介。78歳になり、急性骨髄性白血病で余命いくばくもない。仏壇に隠していた蝶の標本箱。それは、あの日命を奪われた幼い少女との思い出の品だった。広島を舞台に、戦時中から現代までを描いた小説です。中学生・高校生におすすめ。

ノンフィクションノベル

ノンフィクションノベルとは、実在のモデルや実際のできごとをもとに書かれた小説です。

美甘章子『8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心』

1945年8月6日8時15分。朝を迎えたばかりの広島の町に、これまで経験したことのない爆風と衝撃が落とされました。全身大やけどを負いながら、父親に励まされ一命を取り留めた少年・進士の物語。著者の父親である進士さんの半生を描いたノンフィクション小説です。小学校高学年・中学生向け。

井上ひさし『少年口伝隊一九四五』

原爆で家族を失った3人の少年、英彦、正夫、勝利は、新聞を発行できなくなった中国新聞社にやとわれ、「口伝隊」の一員として、ニュースを口頭で人々に伝える。そして1か月後、原爆で壊滅した広島を、巨大台風が襲う―。「戦争」「災害」「放射能」の中で、懸命に生きようとした少年たちを描いた井上ひさしの朗読劇を、印象的なイラストとともに単行本化。

その朝、この町にいったい何が起こったのか!?どこへ行けば治療が受けられるのか?食べ物は?水は?混乱する広島の人々に、情報を伝えるため少年たちは走った。実在した「口伝隊」をもとに、井上ひさしさんが書き上げた舞台脚本が、小さな物語になりました。小学校中学年から読めます。小学校高学年から大人にも。

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ノンフィクション

中沢啓二『はだしのゲンわたしの遺書』

漫画『はだしのゲン』の作者である中沢啓二さんの半生を記したノンフィクション。著者がリアルに描き伝えたかったという『はだしのゲン』は世界中で翻訳され読まれています。漫画は怖くて読めない、という人にもこちらのノンフィクションなら読みやすくおすすめです。小学校高学年から中学生に。

高木敏子『ガラスのうさぎ』

一九四五年三月十日の東京大空襲で、十二歳の敏子は母と二人の妹を失った。焼け跡には、敏子の家にあったガラスのうさぎが、変わりはてた姿でころがっていた。うさぎは、燃えさかる炎に身を焼かれながらも、戦争の悲惨さを見つめ続けていたのだった…。戦争の中を生きぬいた著者が、平和への祈りをこめて少女時代の体験をつづった感動のノンフィクション。戦時用語など語句の解説を増やした待望の新版。

いしぶみ―広島二中一年生全滅の記録

8月6日、原爆で未来を断たれた広島二中一年生の哀しみの記録。

いつもの変わらない朝でした。8時15分、広島市内では大きな空襲に備えて建物を壊す作業の手伝いのため、広島二中の一年生は本川の土手に集合していました。みんなは、上空に現れたB29から投下された爆弾を見上げていました…。そこにいた生徒321人と4人の先生は原子爆弾によって、全員命を奪われました。ひとりひとりの写真とともに、取材された彼らの最期の様子が心を打ちます。

平和のバトンをつないで―広島と長崎の二重被爆者・山口彊さんからの伝言

広島と長崎のふたつの町で、原爆投下の被害にあった人たちがいるということを、この本で初めて知りました。長いあいだその事実を語ることのなかった山口彊さんでしたが、90歳を過ぎ語り部となる決意をします。その思いとは…。小学校高学年から大人にも。

絵本・漫画

こうの史代『この世界の片隅に』

平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく…。

戦時中の広島の呉を舞台に描かれています。少しおっとりしたごくふつうの少女・すず。広島で生まれ、呉にお嫁に行ったすずのつつましくも愛しい日々がつづられています。彼女たちの奪われた日々を思わずにいられません。映画化もされ、数々の賞を受賞した話題作となりました。

アーサー・ビナード『さがしています』

「おはよう」「がんばれ」「いただきます」「いってきます」「ただいま」「あそぼ」そのことばをかわすことができる、みんなの生活は、どこへいったのか?1945年8月6日の朝、ウランの核分裂がヒロシマでひきおこしたことは、どこまで広がるのか?ピカドンを体験したカタリベたちは、今の日本をじっと見つめているのだ。その視線の向こうにあるのは―。

その朝、突然に日常を奪われてしまった数多くの人たち。あの日から時間が止まったままのもの、その瞬間を強く刻み付けているもの。ひとりひとりにあったはずの物語が聞こえてくるような写真絵本。

那須正幹『絵で読む広島の原爆』

原爆の開発から投下にいたる歴史的背景、当時の広島の町の様子、人々の暮らし、そして核兵器の原理、放射線障害など、50年前に炸裂した原爆を、今日の視点で多角的に扱っています。

大道あや『ヒロシマに原爆がおとされたとき』

あの日爆心地の近くにいた著者は、家をとびこえてふきとばされた。そして、その後のヒロシマを見つづけた。ヒロシマを語り継ぐために今、辛く苦しい絵を描き、記憶の扉を開く。原爆の絵の一枚一枚を著者が解説したCD付き。

丸木俊『ひろしまのピカ』

1980年の刊行以来、広島への原爆投下の悲惨さを訴え続けてきた丸木俊氏による絵本作品が朗読になりました。
戦後70年、丸木氏とこの絵本がずっと伝え続けてきた戦争・原爆・核の悲惨さを、今改めて、朗読で語り伝えます。