2016年本屋大賞第1位!宮下奈都『羊と鋼の森』

仕事 | 入試問題 | 映画 | 本屋大賞 | 直木賞 | 音楽

  • 音楽が好きな人におすすめ
  • ピアノ・調律師を描いた小説
  • 2016年本屋大賞第1位ほか
  • 国語入試問題に出典された小説

ピアノに魅せられて

その人がピアノの蓋を開けて、鍵盤を叩いた。放課後の体育館に、森の匂いがした。

秋の夜になりかけの時間の森の匂い。

これまでにも、何度も見てきたはずのその大きな黒い楽器をぼくはその時はじめて見た気がした。

楽器にも音楽にも縁のなかった少年は、調律という仕事に魅せられ、ピアノの調律師を目指す道へと進んだ。

憧れの調律師である板鳥さん、先輩の柳さんや天野さん。それぞれに目指す調律師としての姿を受け止めながら、少年もまた調律師として成長していく。

ひとつひとつの言葉が、おだやかであたたかく瑞々しく光る。書き留めておきたい言葉がたくさん詰まっています。

調律師を目指すきっかけでもある板鳥さんが理想の調律について原民喜さんの文章を引用するシーンがあります。この物語そのものを表しているような印象的なフレーズです。

明るく静かに澄んで懐かしい文体、少し甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」

読み終えた後、ほうっとため息が出るような余韻の残る物語。

お気に入りフレーズ
音楽は人生を楽しむためのものだ。はっきりと思った。決してだれかと競うようなものじゃない。競ったとしても勝負はあらかじめ決まっている。楽しんだものの勝ちだ。

受賞歴など

2016年本屋大賞第1位

第154回直木賞候補

2016年 キノベス! 第1位

2015年 ブランチブックアワード大賞

国語入試問題に出典

2015年石川県公立高校国語入試問題

映画原作

2018年劇場公開予定です。

監督:橋本光二郎

出演:山﨑賢人 三浦友和

映画「羊と鋼の森」公式サイト