- 本好きなふたりの女の子の物語
- 第151回直木賞候補
- 2015年本屋大賞ノミネート
あらすじ
ファッション誌やアイドルの話題が華とされる女子の中で、読書などという地味な趣味を全面に出すのは「私を放っておいてください」と言っているようなものだ。
華やかな女子グループでうまくやりたければ、読書の趣味は外では封印しておくべきだし、一匹オオカミになりたければ「私、休み時間も読書してますから」というオーラーを放っておけばよい。
本好き女子は、たいがい孤独である。本の素晴らしさを分かち合える友達(女子)を見つけるのは奇跡に近い。
ダイアナは自分の名前が嫌いだった。
大きな目に金髪の髪、純粋な日本人なのに、名前は八島ダイアナ。
よりによって漢字で大穴、と書く。
競馬が大好きなパパが世界一ラッキーな女の子になるようにつけてくれたらしい。
ダイアナは、本が好きだった。
そんなダイアナの名前を『赤毛のアン』の親友と同じだと言ってくれた女の子がいた。
神崎彩子ちゃん。
本が好きなふたりは意気投合して、すぐに仲良しになった。
お互いに憧れ、お互いのことが大好きなふたりだったが、あるすれ違いから仲違いしてしまう。
そのまま別々の中学・高校へと進み、ふたりの人生は全く違うものとなる。
思うようにいかず、孤独を感じながらも本に支えられるダイアナ。
才能にあふれ恵まれた環境にいながらどこか満たされない彩子。
ふたりが再会した時、自分は本当の孤独ではなかったと気づいたはず。ずっと隣にあった「本」は孤独の象徴であると共に、お互いの存在を示すものであったことに気づくのだ。
ダイアナにとって彩子が。
彩子にとってダイアナが。
孤独であり、友達であり、唯一であり、お互いである。
そこにただ本があったように。
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出版社 : 新潮社
発売日 : 2014/4/22
単行本 : 250ページ
受賞歴など
第151回直木賞候補作
2015年本屋大賞第4位
公立国語入試問題に出典
【2015年】鳥取県
私立中学校国語入試問題に出典
【2016年】駒込中学校