家のない少女たち 10代家出少女18人の壮絶な性と生

社会

こんな本です

BOOKS雨だれ 10代のリアルがわかる
BOOKS雨だれ 政治家になりたい人は読んでください
BOOKS雨だれ 社会問題をテーマにしたドキュメント

 家に居場所のない子どもたち

大人にとって「できればウチの子は知らなくてもいい世界」というものがある。ウチの子は、ってとこがポイントで、まぁこういう世界はあるだろうけどあくまでもウチとは関係ないというスタンス。でも、10代からの子どもたちが知りたいと思うのは、本当の世界のことなのです。大人が俺たちになんか隠してる世界ってのがあるってことに気付き始めて、大人は隠しちゃおうとするから、嘘と本当ができてくる。「ウチの子まだサンタさんを信じてるのよ」なんて10代がいるとしたら、よほどお嬢様育ちだったりで世間ずれしているご家庭か、サンタを信じてるふりをしている子どもにうまく騙されてる幸せな親かどちらかでしょう。まぁ、そこはお互いうまくやってればどっちでもいいんですけどね。
大人と子供で、隠しておきたいことと知りたいことのズレができてきて、子どもの考えてることがわからなくなってきたり、大人は信用できないって思ったりする。近年は、歪んだ性の問題が取り上げられることも多いですが、昔に比べて性を汚らわしいとする意識や変に隠そうとする意識が強すぎるのも一因にもなっているという指摘もありますよね。柔軟性のある時期だからこそ受け入れられるものが、頭が固くなってしまってからではすんなり受け入れられないということはあるはず。大っぴらにする必要はないけど、必要以上に隠しだてすることも弊害になることがあるってことも大人は知るべきですね。

この本で取り上げられている問題は、知らなくても生きていけることだけれども、いずれ、私たちよりも問題に近いところにいるのも、解決していかなければならないのも、多分君たちだと思うから、世の中はどうなってんだってことを知るひとつの本として取り上げたいと思います。ぜひおすすめでは、ないです。子どもたちの環境に関わっている大人にはぜひ読んでほしい1冊です。

ここに出てくる少女たちの生活は、虐待や性に深くかかわる内容なので衝撃的で胸を裂かれるような思いもします。読んでいてつらく感じることもあると思います。ごく一般的とはずいぶんかけ離れたものではあるけれど、こうして生きている10代がいるってことを知っていてもいいだろう。大人が作り出したひずみの中で、必死に生きている子供たちがいます。現状は、私も含めて一般的な大人が想像しているよりもはるかに深刻です。
なぜ、こんなことが起こるのか。どう解決するべきなのか。
答えは、知ることにあります。
著者はあとがきを10ページも割き、この問題点と解決策について言及しています。ぜひあとがきまでしっかり読んでみて。なんでこんなことになるのかなぁ、という失望感はありますが、決して解決法のない問題ではなくて、みんなが関心を持つことが一番の解決策になります。
「将来は政治家になりたいです」って言ってる人は必ず読みましょう。必須です。
同じ命として生まれても平等に生きやすくはない、この国を平和だと言えるのだろうか、考えは止みません。