森越 智子『生きる 劉連仁の物語』

生きる劉連仁の物語
小学校高学年から中学生に読んで欲しい
戦争・平和について考えるノンフィクション小説
読書感想文課題図書、読書感想文におすすめ
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強制連行の果てに

第二次世界大戦下の1944年9月。この物語の主人公・劉連仁は、故郷中国から日本軍により強制的に日本へと連行されてきました。劉連仁だけではありません。同じように多くの中国人が理由もなく反発することも許されず、家族と引き離され遠く海を隔てた国へと連れてこられます。

さらに、北海道へ連行された劉連仁たちは、そこで苛酷な炭鉱労働を強いられます。肉体的にキツイだけでなく、それはとても危険な仕事でした。多くの仲間が家族に会いたいと言いながら次々と亡くなりました。鬼のように怖い日本人監督の姿を、劉連仁は少し不思議な気持ちでみていました。この人にも自分たちと同じように家族がいるはずだ、なぜこんなひどいことができるのだろう。劉連仁は、それを戦争の怖さだと感じます。

このままでは、殺されてしまう。ある日、劉連仁は炭鉱からの逃亡を決意します。終戦までのこりわずかのことでした。しかし、この時はだれも戦争がもうすぐ終わるなどということを知らなかったのです。

これは、実際にあった劉連仁の数奇な人生を描いたノンフィクションノベルです。小学校高学年から読めます。たくさんの人に読んで欲しい1冊です。

強制連行された人々のその後

強制連行された方たちをテーマにした『紅玉』という絵本があります。

戦争が終わった年の九月、やっと実った紅玉のりんごでしたがもうすぐ収穫という時に何者かに畑が襲われます。犯人は、強制連行され働かされていた人たちでした・・・。

戦争は終わって平和になるわけではありません。いつまでも消えない傷を追うのは、戦いなど望んでいなかったごく普通の人々です。戦争の哀しさを言葉で伝えるのは難しく、だからこそ物語が必要なのだといつも感じます。

劉連仁さんについて書かれた本はほかにもあります。興味をもった方は、探して読んでみてくださいね。

自分の国から日本に強制連行された人々はその後、どうなったのでしょうか。

いろいろ調べてみると、在日の方たちのルーツであるとも言えますし、一方で「そもそも日本軍が強制連行をしたという公式な記録がない」という意見もあります。強制連行の問題は、戦後70年が経過した現在も日本と韓国、北朝鮮の関係に影響を与えています。興味を持った人は、自分なりにさらに調べてみると、いろんなことが見えてくるのではないでしょうか。

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