おにぎりは祈りのかたち~原田マハ『生きるぼくら』

原田マハ『生きるぼくら』
  • ひきこもりの青年がはじめた自然の米作り
  • 蓼科が舞台のハートフル家族ドラマ
  • 農業・自然・食に関心のある人におすすめ
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あらすじ

麻生人生(あそうじんせい)、24歳、引きこもり。

人生の生活をひとりで支えていた母が、ある日、人生を置いて家出した。

母が残していったのは、書き置き、5万円、そして10枚の年賀状。

途方にくれた人生は、10枚の年賀状の中から懐かしい名前を見つける。

「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」

それは幼いころに別れた父方の祖母、マーサばあちゃんからのものだった。

年賀状と携帯電話を握りしめ、人生はマーサばあちゃんのいる蓼科へと向かった。

電車に乗り込み人生がやってきたのは雪の蓼科。

マーサばあちゃんを頼りにしてきた人生だったが、13年ぶりに会ったマーサばあちゃんに自分の息子(人生の父)と間違えられてしまう。

もうひとりそこにいたのは、赤い丹前におかっぱ頭の少女!?

座敷童!?

”つぼみ”と名乗るその少女は、マーサばあちゃんの孫だという。

行く当てのない人生とつぼみは、マーサばあちゃんの世話をしながら3人での暮らしをはじめる。

春になり、マーサばあちゃんを喜ばせたいふたりは、ばあちゃんが長年続けてきた「自然の田んぼづくり」をしようと立ち上がる。

 

引きこもりの青年・人生と対人恐怖症の少女・つぼみ。

そんなふたりを受け入れ包み込むマーサばあちゃんとそばで見守り支えてくれる人びと。

昔ながらの自然のやり方で作る稲作は、手間も時間もかかる大変な作業。1年を通じてゆっくりと稲を育てる米作りは、人生やつぼみの心をほぐし、生きる力を与えてゆく。

変わっちゃだめなわけがない。むしろ、おれらは、どんどん代わって行かなくちゃならないんだ。この稲のように、空に向かって伸びて、花を咲かせ、実を結ぶ。季節とともに変わり、成長していけるはずなんだ。(本文より)

また、この物語は食べることの大切さにも気づかせてくれます。

食べることは”生きる力”の土台となります。

この物語に登場するおにぎりがとにかくおいしそう。

ふたつの手と手を合わせて、ほっこりと握る。それがおにぎりのかたち。これを食べる人が健康でいっぱいご飯を食べられますようにっていう、作った人の祈りのかたちなんだよな。

おにぎりを握るかたちは、人が手と手を合わせるかたち。人の手と手を結ぶかたいなんだなぁと改めて気づかされます。「いただきます」の感謝を忘れずにいたいですね。

この本を読んでいるとおなかがぐうぐう空いてきますよ。

おすすめポイント

こんな人におすすめです

農業に興味のある人

おいしいごはんが好きな人

引きこもりたい人

国語入試問題に出た本

私立中学校国語入試問題に出典

【2017年】聖光学院中学校

【2016年】富士見中学校/森村学園中等部

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