重松清『十字架』~背負わされた十字架の重み

  • 中高生に読んで欲しい「いじめ」をテーマにした本
  • 映画化。吉川英文学賞受賞

本の紹介

<親友になってくれてありがとう>と、僕の名前を書きのこし、あいつは自殺した。

遺書に残された名前は4つ。

いじめをしていた三島と根本、フジジュンが好意を寄せていた中川さん、それから僕。

でも僕は、フジジュンのことを親友だと思ったことはなかった。「親友だったら、なんで助けなかった」とあのひとに言われても、何も言い返せない。なぜフジジュンは、僕の名前を遺書に書きのこしたのか?いじめを止めることのなかった僕たちには、この時まだ、自分が背負わされた十字架の重さに気づいていなかったー。

失うことよりも重い苦しみを知っているだろうか。

十字架の重みは背負っている者にしかわからない。

胸に刺さった傷は、すごく痛くて、なかなか立ち直れなかったり、致命傷になることだってあるけれど、生きていればいつか癒すこともできる。

誰かを失ってしまった十字架は、一度背負ってしまったらもう降ろすことはできない。歩いているかぎり、生きているかぎり、本当に降ろしてしまうことはない。

許されることのない苦しみを背負い続けることのないようにと、この物語には未来のあなたのための強いメッセージが込められている。

おすすめポイント(受賞歴など)

苦しい重いを抱えた中学生たちが大人になるまでを描く作品。中学生・高校生・大人の人にも、おすすめしたい作品です。

受賞歴

吉川英文学賞受賞

映画「十字架」原作

2016年2月劇場公開

【監督】五十嵐匠
【出演】小出恵介、木村文乃、富田靖子、永瀬正敏

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【もくじ】第一章 いけにえ/ 第二章 見殺し/ 第三章 親友/ 第四章 卒業/ 第五章 告白/ 第六章 別離/ 第七章 あのひと

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