- 小学校高学年・中学生向け
- 「穴」でニューベリー賞を受賞したルイス・サッカーの小説
呪いのせいでついてないことばかり
いたずらの代償は、魔女の呪い。
いいことなんかひとつもないぼくの人生。
この呪いを解くには、どうしたらいい。
デーヴィッドは、自分のことをぱっとしない男の子だと思っている。
小さい頃からずっと仲良しだったスコットは最近じゃ、新しい友だちといつも一緒にいる。学校の人気者でちょっと悪いことをして喜んでいるようなやつら。だからスコットがデーヴィッドを疎ましく思っていることも、なんとなく気づいている。
仲間だと認められたいデーヴィッドは、奴らのいたずらに加わることにした。それは、近所で「魔女」と噂されているベイフィールドさんから杖を盗むこと。
イスからひっくり返り、顔にレモネードをぶちまけた拍子にへんてこなパンツが丸見えになったベイフィールドさんに、デーヴィッドは中指を突き立ててみせた。逃げ帰ろうとしたデーヴィッドの背中に、ベイフィールドさんが言った。
「おまえのドッペルゲンガーがおまえの魂を吸い上げてしまうだろう!」
それは呪いの言葉となり、デーヴィッドに次々とおかしなことが降りかかる。
そうまでしたのに、結局、仲間には入れてもらえず、奴らからもバカにされる日々は変わらない。かといって、奴らに立ち向かっていく勇気も、気になる女の子に声をかける度胸もない。
デーヴィッドの日々は、呪いのようにこのまま終わってしまうのか。
ちゃんと自分のことをわかってくれて、助けてくれる友だちもあらわれて、デーヴィッドも最後にはちゃんと自分を取り戻すことができます。
あなたは、親切で、考え深い、思いやりのある人だわ。私たちの生きているこの冷たい世の中では、たぶんそれが呪いなのかもしれない。あなたは詩人の魂を持っているのよ。
傷つかずには生きられず、それでも傷つくことにも意味があるのかもしれないよ。
本をチェックする
出版社 : 新風舎
発売日 : 2005/12/1
単行本 : 319ページ
ISBN-13 : 978-4797472844