重松清『希望ヶ丘の人びと』

ドラマ | 家族 | 昭和

ニュータウンで学習塾を経営する家族の物語。

そこに希望はあるのか!?

希望ヶ丘は、とある海の町のちょっと古いニュータウン。

ガンで亡くなった妻のふるさとである希望が丘に引っ越してきた田島さん一家。春から中学3年生になる美嘉と小学5年生になる亮太とともに、田島さんはこの街で学習塾の教室長として新しい生活をスタートさせるのだが……。

重松作品は、「楽しむ」というよりは「かみしめる」ような作品が多い。意地悪なクラスメイトとか教育熱心ママとか、共通言語を持たないような人種が主人公を苦悩させて、その中で支えてくれる人の存在があり、自分を見つめ成長していく王道パターン。でもって、その成長ぶりに読者はもれなく涙する。私も、大好きなパターン。

「希望ヶ丘の人々」も、まぁそのパターンに乗っかっているんだけれど、もっと軽く読めて楽しめるエンタメ作品。

声を張り上げて立ち上がっているのが、40代をオーバーしているおじさんたちというのが、なんとも残念なところなのですが。小説の中の10代たち、完全におじさんたちに押されてる。1963年生まれの重松さん、同世代の主人公たちに自分の青春を大いに重ねたんじゃないかな。オジサンたちを応援しつつ、子どもたちに向けて「おじさんたちに負けてんなよ」というメッセージを送る。

主人公の同世代には、あの頃の懐かしいあれこれもたくさん登場します。世代によって、引っかかるポイントが全く違う。10代の親子読書におすすめな1冊です。

内容(「BOOK」データベースより)
私は中学生の娘・美嘉と小学生の息子・亮太とともに、二年前に亡くなった妻のふるさと「希望ヶ丘」に戻ってきた。ここから再出発だ―そう思って開いた塾には生徒が集まらず、亮太は亡き母の思い出を探し続け、美嘉は学校になじめない。昔の妻を知る人びとが住むこのニュータウンに、希望はあるのだろうか?

おすすめポイント

◇中学生・高校生・大人にもおすすめ

◇親子で読書もおすすめ

◇なつかしい昭和シーンも登場

ドラマ原作

連続ドラマW 希望ヶ丘の人びと|WOWOW

沢村一樹主演でドラマ化されました。

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