新しい世界へ踏み出すきみに~ドクタースースー『きみの行く道』

新しい世界へ踏み出すのは、だれでも不安なもの。

でも心配しないで。その不安が的中しても、きみは進んでいけるのだから。

『きみの行く道』は、そんな風に背中をぐんと押してくれるような絵本。

大丈夫、ぐんぐん進め!

おめでとう。

今日という日は、まったくきみのものです。

きみのゆくての、あの大きな世界に向かって

いざ、旅立ち!

新しい世界へとふみだしたきみ。

行く先々でいろんなことが起こります。

ぐんぐんのぼったり、ひっかかったり、ぶつかったり、道はでこぼこになったり、道しるべもない。

時にやみくもに走り出し、楽しいことがあったり、独りぼっちになることも。

でも、きみはすすむ。

空が荒れてきても きみはすすむ。

敵がうろついても きみはすすむ。

たくさんの川をこえて すすむ、すすむ。

手がいたんでも、すすむ。

くつに水がしみてきても、すすむ、すすむ。

やわらかいパステル調のぼんやりとした色合い。

現代のマザーグースと言われるドクター・スースーが86歳の時に出版したこの絵本は、ニューヨークタイムズのベストセラーに二年以上登場したベストセラー。

絵本のページのように、人生の景色はパステルに明るく輝いたり、ブルーな鬱を帯びたりして、それをくりかえす。でも、どんな時も「きみ」は変わらずに黄色い服のままぐんぐんとすすむよ。

著者・ドクター・スースー

ドクター・スースーはアメリカをはじめ英語圏ではとても有名な絵本作家です。代表作は『キャット・イン・ザ・ハット』や『ふしぎな500のぼうし』など。彼の人気の秘密をさぐるこんな本も出版されているくらい、その作品は世界中の子どもたちに読まれ、愛されています。

悪魔のような残忍な少年の成長記を描いたライオネル・シュライヴァーの『少年は残酷な弓を射る』の中にも、少年・ケヴィンの嫌いなもののひとつとして、ドクター・スースーの絵本が登場します。

あの子は、ライスプディングがきらいだった。シナモンをかけたのも、かけてないのもきらい。ドクター・スースーの絵本もきらい、わたしが図書館で借りてきたマザーグースの音楽CDもきらい。ケヴィンの語彙は非常にかたよっていて、きらいなものだけは驚くほどたくさんいうことができた。

母親にとって決して「いい子」ではないケヴィンがきらいなものは、およそ子どもが好きであろうと思われるものと言える。ここでは、アメリカの一般的な親子が楽しむ絵本の代表として、ドクター・スースーの絵本が皮肉な登場となっている。それほどドクター・スースーの絵本は、多くの親子に愛されているということかな。ケヴィンとエヴァの母子以外には。

おすすめポイント

◇小学校高学年・中学生・高校生におすすめ

◇新しい世界に踏み出す人に

◇よみきかせにもおすすめ

◇卒業や入学の贈り物にも

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