- 中脇初枝さんが描く、一風変わった家族の再生の物語
- 文庫本の表紙は酒井駒子さん
ふたたび集まった家族の再生
深夜、駅のプラットホームで人身事故を目の当たりにしたはなは、ひとりのアパートに帰る気になれず、気づくと北鎌倉の実家へと向かっていた。
北鎌倉にある古びたその屋敷は、近所から「こんこんさま」と呼ばれている。広い敷地のどこかに神様が祀られているのだというが、家族のだれもそれを見たことがない。
家を取り仕切っていた祖母を失い、祖父と母と妹のさちが残る家。そこへ、家を出たはずのはなと父が偶然に戻り、思いがけない家族の再会となるのだが、この家族にはおかしな事情があり、家族の関係はどこかちぐはぐしている。
そこへ、さちが「占い師」だというおかしな男を家に呼び寄せる。
中脇さんの家族の物語には血縁というものを意識させ、人が一緒にくらすということの意味を感じさせるものが多い。一緒に暮らす人たちだけに流れる同じ空気。
その空気が淀まず流動していることの心地よさ。
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文庫: 176ページ
出版社: 河出書房新社
ISBN-13: 978-4309411958
発売日: 2013/1/9
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