又吉直樹『第二図書係補佐』~読みたい本が増えるエッセイ

  • 中学生にもおすすめのエッセイ
  • 本好きにおすすめ
  • お笑いが好きな人に
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笑える本紹介エッセイ

お笑い芸人だが、口数が多い方ではない。話がおもしろくてわかりやすいかと言えば、それもまた少し違う気がする。しかし、彼が語りはじめると耳をそばだててしまう。みんなが見落としがちなおもしろさを見つけては、ぽんと転がしてくる。それがツボにはまる。

彼のしゃべりよりもツボにはまるのが、彼の書く文章。芥川賞受賞作家としても知られる又吉直樹さんだが、小説よりも等身大の生身の彼が見えるエッセイがよい。

わたしが又吉さんの本の中でいちばんおすすめなのがデビューエッセイ『第二図書係補佐』読書家であり、熱狂的な太宰ファンでもあるピース又吉直樹による「ぼくとこの本」的エッセイ集。

本書は、劇場で配布されるフリーペーパーに寄せたコーナーを1冊にまとめたもの。お笑い劇場×真面目に本を語るの構図は、一見ちぐはぐにみえるのだけど、そこで語られる又吉のエピソードがまた笑える。一流の高校サッカー部に所属し、本を愛し、おかしなことに夢中になり、孤独が得意な又吉は、お宝のように面白いはなしをたんまりとため込んでいる。

そう、この本、又吉にとって思い入れのある本を紹介している本ではあるけれど、本についての文章よりも又吉エピソードの方が多い。本:又吉=2:8くらい。なのに、読んでみたいと思わされる本がたくさん。テクニックのある書き手です。

笑えて、不思議で、どこか前向きになれるエッセイたちは、国民的笑えるエッセイスト・さくらももこ的でもあります。

選書を見ると、本当に本が好きでたくさん読んでいるのだなぁとわかります。純文学など流行遅れなのだろうが、例えば初恋の相手への想いをこの歳になっても貫き通そうとする純真さのようなもの―文学に対する―が切なく、自称本好きさんの私には、心燃やされる想い。

紹介された本の中には初耳の本もたくさんあり、また読みたい本が増えること間違いなしです。読みたい本が見つからない人にもおすすめ。

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