西條奈加【睦月童】

ファンタジー | 時代小説

  • 中学生からおすすめ時代小説ミステリー
  • ちょっと不思議なファンタジー
  • 時代小説は苦手という人にも

江戸の町を舞台にふしぎな力を持つ女の子と謎を解き明かしていくファンタジーとミステリーが交差する中学生におすすめの時代小説を紹介します。

人の心を映す不思議な女の子

国見屋は、江戸の町日本橋に店を構える下酒問屋。正月の朝、国見屋では奇妙なお客さんを迎えていた。主人が睦月の里から連れてきたそのお客は、7つくらいのひどくやせてた女の子で、名前をイオという。イオには、人の心を映す『鏡』という不思議があった。

その頃、町には「風神」と呼ばれる盗人が悪さを働いていた。国見屋の主人は、息子の央介が風神に関わっているのではないかと心配しているのだが・・・。

町の小さな事件の謎を解決していくイオだが、『鏡』の能力をのぞけば、まだまだ小さい女の子。自分のもつ能力や睦月童としての宿命への悩みの中にある。睦月の里と関わりのある人たちとの出会いもあり、睦月の里の秘密が明らかになっていく後半は、予想していなかった展開にハラハラ。里見八犬伝のようなおもしろさがある。

時代ものは、そもそも未知の世界の物語というところがあるからでしょうか、ファンタジックな展開もすんなりと違和感なく読めます。きれいな表紙が児童向けというイメージですが、内容を理解できて楽しめるのは中学生以上かな。

コミカルに語りながら、読ませるところは深く読ませ、どこか腑に落ちないような、読後にちょっと考えさせるお土産を残してくれる、いい作品。もっと読んでみたいと思わされる作家さん。

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