長田弘『なつかしい時間』~いま伝えたいこと

エッセイ | 入試問題 | 教養

  • 詩人・長田弘さんのエッセイ集
  • 通学・通勤や朝読書におすすめ
  • 国語入試問題によく出る本
  • 【BOOKS雨だれ】中学生におすすめ50冊!
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NHK番組「視点・論点」より17年間の思い

長田さんの詩には、いくつかの思い出がある。

『森の絵本』は高学年のクラスでよく読む絵本だし、『最初の質問』は中学生に向けて卒業を前に朗読させていただいたことがあります。

 

いつもそこにあるものの大切さやあたたかさにそっと気づかせてくれるような言葉で語りかけてくれる。長田さんの詩は、空の明るさや森の匂いを感じるようなぬくもりがあります。

エッセイストでもある長田弘さんは、いくつものエッセイを発表していますが、その中でも、最も読まれているのがこのエッセイ集ではないでしょうか。

『なつかしい時間』は、長田弘さんがNHKの番組『視点・論点』で17年間にわたり語られたものから、文章にして1冊にまとめたものです。


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いまは、モノも人も、経済も情報も、国境をさまざまに行き交うようになりました。国の内から外へ、また国の外から内へ、行き来することがごく普通のことのようになってきた。けれども、言葉はどうだろうかと考えるのです。

こんな書き出しで、文章ははじまります。

20世紀から21世紀に向けて。

あるいは、戦後から東日本大震災そして復興に向けて。

いくつもの時代を言葉で綴ってきた長田さんから見た「現代」。

日々の中で長田さんが感じたことや伝えたいこと、変化してゆく現代と未来に向けて大切にしたい風景や言葉などが、優しい語り口で綴られます。

いま伝えたいこと


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言葉が伝えるものとはなにか。

本を読むということ。

木を見上げるということ。

心にいつもある場所。

私たちは言葉の持つ力を信じているだろうか。

忙しさの中で、見逃しがちなことを「そういえば」と思い出させてくれるようなことばかりです。

一冊の本が人のなかにのこのは、リンク、つながりです。

一冊のほんから一冊の本へ、一つの言葉からもう一つの言葉へ、時には国境を越えて、リンク、つながりを生む本があります。心の網目となって、人々の記憶を結んでゆく言葉があります。

長田さんは、言葉や読書には「つなぐ」力があるといいます。

読書、言葉、時間、自然・・・豊かに生きるとはどういうことか。

必要なものはもう、すべてここにそろっているのかもしれません。

慌ただしい毎日に疲れている心をちょっと休めて、ページを開いてみませんか。

歩みを止めてふと樹を見上げるような、

あたたかいお茶を淹れてほっと一息つくような、

そんな文章です。

ひとつのエッセイが数ページ。ちょっとした時間にさっと読めるから、いつもバックに忍ばせておきたい本。

著者・長田弘

長田弘さんは1939年11月10日生まれ。福島県生まれの詩人です。

2015年に75歳で亡くなりました。

『呼吸の必要』で路傍の石文学賞を受賞のほか、数多くの詩集・エッセイ集が発表されています。長田さんの詩は『森の絵本』『空の絵本』『最初の質問』など絵本として出版されているものあります。よみきかせなどで読んでもらったことがあるという人もいるかもしれませんね。

詩集のほか評論文、エッセイ、児童文学など幅広い創作活動をしています。

ブックデータ

長田弘さんの「なつかしい時間」は、ここ数年よく入試問題の国語・論説文に出典されています。読みやすい文章、正しい日本語、そしいま中高生に見つめなおして欲しいテーマ。受験生の読書におすすめの1冊です。

◇公立高校入試問題国語に出典

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◇私立中学校入試問題国語に出典
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