乙野四方字『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』

  • パラレルワールドSF恋愛小説
  • 2冊合わせて読んでね
人生とは、選択の繰り返しである。私たちは時に、選ばなかった人生について考えるが、それはあくまでも「もしも」の話。

 選ばなかったはずの未来

しかし、もしも選ばなかったはずの人生もどこかの時空で存在し続けていたとしたら? 物語の中では、パラレルワールド(平行世界)として、いくつもの起こり得た人生が同時に存在する。

そして私たちは時々、別の平行世界へパラレル・シフトすることも証明されている。
ある世界では、腕につけたIP端末の数値によって、自分が今いる平行世界の位置を知ることもできる。

この2冊は、合わせて読んですべてのストーリーがつながります。ちなみに私は『僕が愛したすべての君へ』から読んで、一気読み。

手軽に読めて、引き込まれるSF×恋愛小説。「君の名は。」にハマった人なら楽しめると思う。

『僕が愛したすべての君へ』

母と暮らす高校生・高崎暦は、クラスではぼっち。ある日クラスメイトの瀧川和音に声をかけられる。85番目の平行世界から来たという彼女は、暦を呼び捨てにしている。
「あの、そっちのゼロの世界では、僕と瀧川さんは友だちなの?」
「一応、恋人なんだけど」

『君が愛したひとりの僕へ』

父親とクラス日高暦は、ある日父の勤務先である虚質科学研究所で佐藤栞という少女と出会う。お互いに惹かれ合うが、両親同士が結婚すると知り、二度と結ばれないと勘違いしたふたりは、別の平行世界へパラレル・シフトしようとするが…。

人は時に、選ばなかった人生にとらえられてしまうけれど、完璧な幸せなど存在しないのかもしれないね。

著者・乙野四文字

名前なんて読むんだろう?ってまず思うよね。

「おとのよもじ」と読みます。

大分県豊後大野市出身。

『ミニッツ―一分間の絶対時間』で第18回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉受賞し、同作にてデビュー。

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