こうの史代『この世界の片隅に』

家族 | 平和 | 映画

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第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、なにげない家族の日常を描いたこうの史代の漫画『この世界の片隅に』描かれるのは、なにげないことのかけがえのなさ。映画化でも話題の原作です。

ありがとう、ウチを見つけてくれて

「戦争の本」と言われると尻込みしてしまう。
きっと怖いシーン描かれていて、悲しい場面があって、苦しくなってしまうに違いないと構えてしまう。←はだしのゲンのイメージが強いかも
そんな人は多いはず。
そんな人に、手に取って欲しいのがこうの史代さんの漫画『この世界の片隅に』

時代は、第二次世界大戦の最中(さなか)。
すずは広島に暮らす女の子。
おっとり、のんびりしているのがたまにきず。
ひとりでおつかいにでかけて、危うく人さらいにさらわれそうになったこともある。←しかし本人はそれには気づかず、たいして慌てないという大物ぶり。
そんなすずに嫁のもらい手があるだろうか、と家族はこれまたおっとりと心配するが、お年頃になったすずにもちゃんと縁談が舞い込んできた。
すずは相手がどんな人なのかも知らないが、それもアリだと、お嫁に行く。
笑いがあり、悩みがあり、愛がある…戦時中のすすずたちの日常が等身大でコミカルに描かれている。
やがて戦況は厳しくなりすずたちの日常も空襲に脅かされるように・・・。

大切なのは過ちを繰り返さないこと

あの戦争の日々は、おばあちゃんの時代のモノクロの物語ではなくて、自分に訪れるのとおんなじ、カラーに満ちた日々だったのだと改めて感じる。
あたりまえにやってくるささやかな毎日がどれほど特別で愛おしいか。
失わなければわからないほど、私たちはばかじゃない。

ただ静かに、笑って暮らしたいだけの私たちの日常を奪う権利は誰にもない。
しかし、小さな私たちの未来を決めるという大きな権利を与えられる人たちがいて(それを政治家と呼ぶ)、一歩間違えれば、私たちは彼らにただ翻弄されるしかないことも。
歴史に真摯に向き合うということは、同じ過ちを繰り返さないということ。
すずさんたちの思いを無駄にはできない、と思う。

映画「この世界の片隅に」原作

監督:片淵須直

声の出演:のん、ほか。

音楽:コトリンゴ

クラウドファンディング方式で製作・上映された映画としても話題になりました。

当初の目標金額は2,000万円。2015年3月9日に呼びかけが始まり、5月末の終了時には日本全国47都道府県から3,374人、39,121,920円の支援金が集まったという。この映画への期待の大きさがうかがえるエピソードです。当時国内のクラウドファンディング映画ジャンルとして最多人数、最高額の記録しました。

数多くの映画賞を受賞しています。

第40回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞/優秀音楽賞コトリンゴ 受賞

2016年 第90回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第1位/日本映画監督賞ほか読者が選 日本映画ベスト・テン 第1/ 日本映画監督賞も受賞

第71回毎日映画コンクール 日本映画優秀賞/アニメーション部門 大藤信郎賞/スタッフ部門 音楽賞

第59回ブルーリボン賞監督賞

第26回東京スポーツ映画大賞作品賞

第65回菊池寛賞

平成28年度(第67回)芸術選奨文部科学大臣賞

第41回アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門 審査員賞

ほか、多数受賞で書ききれません(>_<)

劇場に行きましたが、オープニングのコトリンゴさんの『悲しくてやりきれない』から胸に迫ります。原作の世界をそのままアニメーションにしたような柔らかさが心地よく、またのんさんの声が「すず」にぴったりでした。

「この世界の片隅に」公式サイト

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