西川紀子『わたしのしゅうぜん横町』

『わたしのしゅうぜん横丁』

 

  • 小学校高学年から中学生におすすめ
  • ものづくりが好きな人におすすめほっこりファンタジー
  • 朝読書にもおすすめ
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壊れたものを直します

壊れても捨てられない大切なものがありますか?ここへ行ったらきっと、あなたの大切なものを直してくれるお店があるかもしれませんよ。こわれものを修理するお店が並ぶ「しゅうぜん横丁」の物語。

「たまげるこたぁないさ。
カードだろうと洋服だろうと、皿だろうとネックレスだろうと、この横町には、
どんなしゅうぜん屋だってあるのさ。まぁ、ここへ持ってきたらなおらないものは、
めったとないやね。なんたってこのしゅうぜん横町には、しゅうぜん屋ばっか
八十八軒も並んでるんだぜ。しかも、おなじしゅうぜん屋は、二軒とないんだぜ」

旅先でたずねた、はじめての町。
見知らぬ少年にさそわれて迷いこんだのは、
しゅうぜん屋ばかりが並ぶ「しゅうぜん横町」!

しゅうぜん横丁とは、壊れ物を直す「修繕屋」ばかりが並ぶ通りのこと。
たんす屋、カード屋、人形屋、キスタ屋…
大切なものにまつわる、不思議なエピソードがはじまります。

このしゅうぜん横町に、持ちこまれるものたちのなんてすてきなこと!!
指輪たんす、船のキスタ(キスタって?ヒントはお化粧のいいにおい)、森のタペストリ、それからねこのカード!!
また、店主たちがきかせてくれるおはなしも、異国の魔法のように心をつかまれます。

旅先での冒険に心がふわふわとするようなような、それでいて、それぞれのものにこめられた想いがとても身近に感じられます。

だからこそ、読み終えた後は自分の大切なものを思い浮かべるのではないかしら。
もしかしたら、それは、いつからかこわれたままになっているものだったりして。

私も、さっそくこわれたままの木の置き物を応急処置してみたり。

平澤朋子さんのイラストのおかげか、古さはまったく感じません。
ゆったりとしていて、ほっとする、ほっこり系ファンタジー。
きっとどの時代でも愛される作品なのでしょうね。

本書は、1981年にあかね書房より刊行されたものを、装丁・挿絵を新たにし、復刊したもの。とてもすてきな作品だったので、著者のほかの作品もよんでみたいと調べてみると、1985年に亡くなっていました。残念です。

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