縞模様のパジャマの少年ーThe Boy in the Striped Pyjamas

縞模様のパジャマの少年
  • 【BOOKS雨だれ】中学生におすすめ50冊!
  • ホロコーストをテーマに戦争と平和について考える本
  • カーネギー賞候補・読書感想文にもおすすめ

「死の工場」と言われたアウシュビッツ収容所をぐるりと取り囲む高く長いフェンス。そのフェンスをはさんでふたりの少年の間に芽生えた友情の行方は…。

フェンスの中と外でつながれた少年たちの友情

ブルーノは9歳の男の子。立派な軍人である父さまと、お母さま、3つ歳上のいじわるな姉・グレーテルとメイドたちとともに、大きなベルリンの屋敷にくらしていた。

ある日突然、お父さまの仕事の都合でベルリンから引っ越すことになったブルーノ一家。新しい家は、寂しい森の中にある古く小さな家。周りには家が一軒もなく、一緒に遊べる友だちもいない。

ブルーノが部屋の高いところにあるななめ窓から、森の反対側をのぞきこむと、そこには、おそろいのおかしな格好をした人々が見えた。長いフェンスに囲まれた中に、小さな子どもから老人まで、上下そろいの灰色の縦縞模様のパジャマを着て、頭には同じ縞模様の布でできた帽子をかぶっている。

「シューヨウジョ」と呼ばれるこの町では、なにか大人たちだけが知っている秘密があるらしい。偉そうな態度で人を見下すコトラー中尉のことも、歴史ばかりを学ばせようとする家庭教師のリスト先生も、ここでのくらしもどうにも好きになれないブルーノ。

ある日、ブルーノはフェンスのまわりを探検に出かけ、そこでひとりの少年と出会った。シュムエルと名のったその少年は、ブルーノと同じ9歳。だれにも内緒でふたりはたくさんのことを話した。やがてふたりの少年の間には、友情が芽生えるのだが…。

ブルーノとシュムエルはふたりとも同じ日に生まれた子どもだった。

1934年4月15日。同じ日に生まれたふたりの少年。ドイツとポーランド、違う国で生まれ、生まれた人種が違う、ただそれだけでふたりの日常はフェンスの中と外側に隔てられてしまった。大人たちがそのことの愚かさを知るのは、すべて失った後になる…。

著者・ジョン・ボイン

1971年アイルランドのダブリン生まれ。

本作は小説4作目。アイルランドでベストセラーとなり、30か国以上で翻訳出版されている。

映画原作

2008年アメリカ劇場公開(日本では2009年)
イギリス・アメリカの合作で製作。PG-12指定。
【監督・脚本・製作総指揮】マーク・ハーマン
【キャスト】
ブルーノ:エイサ・バターフィールド。(のちに「ヒューゴの不思議な発明」や「ミス・ペレグリと奇妙な子どもたち」に出演)
シュムール:ジャック・スキャンロン

おすすめポイント(受賞作など)

 カーネギー賞候補
【2009年】第55回全国青少年読書感想文コンクール課題図書(高等学校の部)

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ハードカバー: 233ページ
出版社: 岩波書店
発売日: 2008/9/12

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