宇田川敬介『震災後の不思議な話』

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東日本大震災の後、被災地には多くの不思議な話がうまれた。古くからの伝承を添えて、そうした話を集めて紹介した1冊。

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東北の地にのこる死者の思い

*もくじ*

迫りくる危機と虫の知らせ/生死を分けた不思議なできごと/「私に気づいて」という訴え/「この子だけでも」という切なる願い/あの日に帰りたい/止まった時間/「私たちは生きているのでしょうか」/復興が気になる霊たち

***

震災直後、ある地域では津波のあった時間が近づくと、作業を中断して避難所へ戻る準備をはじめる。3時21分、その時間になると津波の音と逃げ惑う人々の足音が聞こえるのだという。その中に、身内の足音を聞いたという人もいた。

津波の引いたばかりの車が転がる中を、「体を探している」のだと彷徨う母子の姿。

タクシーに乗せた若い人のグループが、海の見える道でタクシーを降り、運転手に訊ねたという。「自分たちは死んだのだろうか」と。

こうした不思議なエピソードの中には、多くの人が同時に体験しているものもいくつもあるという。決して「気のせい」と簡単には片付けられないものばかり。そして、こうした不思議な話に助けられている人もいる。

2013年には、NHKスペシャル『東日本大震災 亡き人との“再会”~被災地 三度目の夏に~』でも、こうしたエピソードについて特集を放送し、大きな反響を呼んだ。

科学的に証明されるとかされないとか、議論することに私は意味をもたない。

誰かが「あったのだ」と言えば、あったのだろうと思い、ただその話を聞いてやろうと思う。

少し背筋が寒くなるような「幽霊譚」とも言える話の先には、亡くなった人たちの何かしらの思いがある。それは残された人たちへの「生きろ」という強いメッセージかもしれない。それを託された希望と受け取りたい。

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