- 中学生から大人にもおすすめ
- ロンドンの孤児の歴史をもとにした小説
本の紹介(あらすじ)
望まれず生まれた我が子を、ロンドンの「コーラム孤児院」へ連れて行って欲しいとすがる母親。行商人のオーティスは、金銭と引き換えに子どもを預かるが、多くの子どもはロンドンの地を踏むことはない。オーティスには、恐ろしい裏の顔があった。
一方、領主アッシュブルック家の跡継ぎであるアレクサンダーは、父親の反対を押し切り音楽家になることを夢見ている。
アッシュブルック家に家庭教師としてお世話になっているミルコート夫人の娘・メリッサと惹かれあうようになり…。
やがて、重なるはずのない彼らの運命が交錯する、切なく美しい物語。
望まれない出産でその存在を隠された子どもたち、親に手放された子どもたち、無理やりに親と離され商品にように扱われるる子どもたち…物語の中には当時の子どもたちを代表するさまざまな子どもたちが登場します。彼らにどんな行く末が待っているのか、最後まで目が離せませんでした。
著者が当時の史実についてしっかりと調べた上で書かれたこの物語は、フィクションではありますが、その時代を生きていた子どもたちの吐息を感じるような、ずしりとした重さも感じる良書です。
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おすすめポイント(受賞歴など)
・2000年度ウィットブレッド児童文学賞受賞
・カーネギー賞候補作