山田悠介『スイッチを押すとき』

山田悠介『スイッチを押すとき』 YA文学
中高生に人気・山田悠介のライトノベル
「生」と「死」について考える
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命のスイッチを押さない4人の子どもたち

止まらない若年齢層の自殺者数の増加に早急な対応を迫られた政府は、2008年に、通称YSCと呼ばれる青少年自殺抑制プロジェクトを立ち上げた。高ストレス環境に置かれた子どもたちの精神構造や深層心理を解明することを目的に、無作為に選ばれた子どもたちの心臓にある細工を施し、極度な孤独環境に置く。

理由もなく家族や友人と切り離されて暮らすのは、机とイスだけが置かれただけの閉鎖施設で、四六時中監視されている。彼らに与えられているのは、文字や絵を書く程度の自由と小さなスイッチ。

事前に手術で心臓に取り付けられた特殊な電子機器につながるそのスイッチは、子どもたちの命そのもの。スイッチを押すと、痛みもなく一瞬で心臓が停止する。

孤独で希望を見いだせない日々に耐えきれなくなった子どもたちは、ひとり、またひとりとスイッチを押していくのだった。

南洋平は、青少年自殺抑制プロジェクトセンターで監視員として働いている。新しく配属された横浜のセンターで洋平が出会ったのは、7年以上も施設に暮らし”スイッチを押さずに生きてきた”4人の子どもたちだった。

なぜ彼らは、スイッチを押さないのか。多くの子どもたちが自ら命を断つ瞬間を見てきた彼らが、それでも生きたいと願う”希望”とはなにか。

洋平は、彼らの願いを叶えようと施設からの脱出を企てるがー。

中高生に人気の作家・山田悠介

こんなに矛盾だらけで強引な設定は存在しないとわかっていても、読み進めてしまうのは、この物語の結末が希望をもたらすのかそれとも絶望でしかないのか、見届けたいという好奇心でしかないのかもしれないが。

山田悠介は中高生によく読まれている人気の作家である。2012年の学校読書調査では、中学生・高校生ともに「好きな作家」第1位に選ばれ、以降、作品の人気は続いている。『リアル鬼ごっこ』や『親指さがし』『パズル』など、度肝を抜くような奇抜な設定と抗えない非情な運命に心を突き動かされる人も多いようだ。映像がされている作品も多く、ストーリーを追いながらさっくり読めるので、ふだんあまり本を読まない人にも読みやすく人気。

『スイッチを押すとき』は、中学生の朝読書でよく読まれた本にもランクインしています。

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