コンチャ・ロペス=ナルバエス『太陽と月の大地』

中学生から読んで欲しい
スペインを舞台にした歴史小説
宗教・戦争について知る物語
読書感想文コンクール課題図書
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スペインの宗教対立と友情の物語

16世紀、長い宗教対立のあと統一されたスペインでは、キリスト教徒とイスラム教から改宗したモリスコたちがひとつの国にともに暮らしていた。

キリスト教徒の伯爵ドン・ゴンサロとモリスコの農夫ディエゴ・ディアスは、少年時代からの友人だった。ドン・ゴンサロは亡くなり、いまは息子のドン・ペドロ・ゴメス・エルコスが治める領地でディエゴ一家は農夫として務めを果たしている。

かつての祖父たちのように、伯爵の娘・マリアとディエゴの孫であるエルナンドも幼なじみとして友情を育ててきた。このまま、平和に暮らせたらと誰もが願っていた。

しかし、キリスト教によるモリスコの弾圧が強まり、再びモリスコが反乱が起こし・・・。

スペインにおけるキリスト教とイスラム教の宗教対立に翻弄される人々の物語。

読書感想文のポイント

読書感想文を書く

子ども向け歴史物語としてとても興味深く読みました。読書感想文課題図書となっていますが、翻訳本や読書に慣れていない人には読書感想文は書きづらいと感じるのではないでしょうか。

一方で、テーマや主題がはっきりしているので、物語をしっかりと読み取ることができれば、一番読書感想文が書きやすい課題図書とも言えます。

今回、読書感想文のポイントをまとめるために時代背景となっているスペインの歴史について少しだけ調べました。歴史背景を知ると、改めて物語のおもしろさがわかります。

この本で読書感想文を書きたい人にこのふたつのポイントを押さえると、書きやすくなるはずです。

①スペイン宗教の歴史背景を押さえよう!

②人物相関図で多すぎる登場人物を把握しよう!

①スペイン宗教の歴史背景を押さえよう!

スペインの地図『太陽と月の大地』

この物語のテーマをとらえるポイントは、物語の歴史的背景となっている宗教対立について知っておくことです。

わたしも世界史はくわしくありませんが(;^ω^)、少しだけ歴史のポイントを押さえておきましょう。

15世紀から16世紀にかけてヨーロッパでは大きな宗教改革が起こります。ルネサンスの発展、グーテンベルクの活版印刷機の発明による聖書の普及、そして宗教改革・・・キリスト教が勢力をさらに増した時代です。

物語の舞台となっているスペインも激動の時代でした。

キリスト教国家は、長い年月をかけてイベリア半島のイスラム教国家から土地を取り戻そうとします。レコンキスタと呼ばれるものです。

1492年、フェルナンドとイサベルのカトリック両王がイベリア半島で最後のイスラム王朝だったナルス王朝を倒し、グラナダを制圧します。

レコンキスタは完了、スペインの統一です。

ちなみに時の女王・イサベル1世は「スペイン史上最も大胆で情熱的な女王」としてドラマ化され、日本でも有料チャンネルで放送されているんですよ。スペイン統一前のイベリア半島についても、ドラマの時代背景を説明しているページでとても分かりやすくまとめてあります。

時代背景 | イサベル~波乱のスペイン女王~ | チャンネル銀河
◆日本初放送◆スペインを統一に導き、スペイン史上最も偉大な女王の1人として挙げられるイサベル1世。彼女が女王として載冠し、スペイン王国建国に至るまでの波乱の生涯を描く歴史ドラマ。

グラナダ制圧後、他教徒たちはキリスト教への改宗を迫られます。改宗しないユダヤ教徒は国外追放。はじめは寛容だったイスラム教徒にもその圧力は徐々に強まっていきます。

1500年、イスラム教徒は反乱を起こします。しかしその反乱が失敗すると、イスラム教徒はキリスト教への改宗か国外退去の選択を迫られました。

この時、イスラム教からキリスト教へと改宗した人たちはモリスコと呼ばれるようになります。(イスラム教徒はモーロ)物語の中で何度も登場するキーワードです。

エルナンドの祖父はこの時キリスト教に改宗し、モリスコとなりました。名前も「ハクセル・アベーン・ハメス」から「ディエゴ・ディアス」へと変ります。

激動の時代はまだ終わりませんでした。締め付けはさらに強まり、再びモリスコの反乱が始まります。物語で描かれているのは、まさにこの時代です。

エルナンドの兄・ミゲルは、キリスト教への反発を強め、ついには家を飛び出し山賊になってしまいます。最後まで望みを捨てずにスペインに残ろうとするエルナンドもまた、苦難の道が待っていました・・・。そこは物語を読んでもらうとして。

本書の「はじめに」や「あとがき」で、当時のスペインの宗教情勢について簡単に語られています。わたしは、読み終えた後で「あとがき」を読みましたが、はじめに読んでもいいかもしれません。ネタバレはしてしまいますけど。

②人物相関図で多すぎる登場人物を把握しよう!

この物語を読みこむもうひとつのポイントは、登場人物たちの把握です。

主な登場人物は、ふたつの家族だけなのですが、祖父世代、父世代、子ども世代と3世代に渡る物語なので、登場人数が多い!

そこで鍵となるのが、物語のはじめに挿入されている「主な登場人物」という相関図です。だれとだれが家族なのか、兄弟なのか、わかりやすくまとめているあの図があれば大丈夫!

読書感想文を書くつもりという人は、はじめにこのページをコピーしたり、自分で人物相関図を書いたりして、これを見ながら読み進めるのがおすすめです。

いちいち「主な登場人物」のページをめくるのが面倒くさい!

特に、物語の最初の章では一度にすべての登場人物が集結するので、だれがだれだか混乱しそうになります。ここを乗り切れば、あとはすんなり読めるはず。

読書感想文がんばってね。

著者のコンチャ・ロペス=ナルバエスは、スペインの20世紀を代表する児童文学作家。スペイン・アンダルシア州の都市セビーリャ生まれ。大学での歴史教師を経て、子どもの本の執筆活動をはじめます。子どもたちが「学習」と構えずに、歴史に共感できるこうした物語は必要だと思う。

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