まはら三桃『鉄のしぶきがはねる』~工業高校系青春小説

『鉄のしぶきがはねる』
中学生・高校生におすすめの児童書
工業高校を舞台にした小説
坪田譲治文学賞ほか受賞

工業高校機械科1年唯一の女子・三郷心(しん)が、高校生ものづくりコンテストに挑む青春物語である。
旋盤に青春をかけるなんて。このさわやか感、ものすごくいい。
工業系女子をヒロインにした中高生向きの作品なんて、これまでにないよね。鉄を切削するときのシュルシュルシュルルーという音のような透明感は、まさに主人公の心そのもの。もちろん、淡い恋心やら仲間との右往曲折もあり。

〈高校生ものづくりコンテスト〉は、〈ものづくり甲子園〉とも言われている。高校生が目指すものづくりの頂点だ。旋盤作業、自動車整備、電気工事、電子回路組立、化学分析、木材加工、測量といった工業技術を各部門ごとに競い合う。

(本著には書かれていなかったが、橋梁模型製作なる部門もあるらしい)
この本を読むまで、そんな大会の存在すら知らなかった。
旋盤とは切削技術のことなのだが、なんでもかんでも『削る』というのではないらしい。

旋盤を使えば『削る』とか『挽く』、ドリルで穴をあけるのは『揉む』。平面をかき削る時は『きさぐ』。おんなじ『削る』でも、ほんのちょっとの時には、『さらう』とか『なめる』という表現になる。

鉄の加工の仕方によって、言葉も変わるらしい。まるで『舟を編む』にでてきそうなくだり。
旋盤に限らず、ものづくりが好きな人、カッコイイ女子が読みたい人におすすめです。

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おすすめポイント

受賞歴など

第27回 坪田譲治文学賞
平成23年度 厚生労働省 社会保障審議会推薦 児童福祉文化財 特別推薦

国語入試問題によく出る本

公立高校国語入試問題に出典

【2012年】兵庫県/香川県/熊本県

私立中学校国語入試問題に出典

【2018年】金城学院中学校

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