千原ジュニア『14歳』~パジャマの少年の自伝的小説

千原ジュニア「14歳」表紙とPOP
  • 【BOOKS雨だれ】中学生におすすめ50冊!
  • 千原ジュニアの自伝的小説
  • 引きこもりたい人・お笑いが好きな人に

パジャマを着た少年の自伝書

これは、ある14歳の物語。
パジャマを着た少年の、 僕自身の物語。
僕はもう何ヵ月も鍵をかけた部屋に閉じこもり、パジャマのまま暮らしている。

吉本興業所属、実兄・千原靖史とのお笑いコンビ”千原兄弟”の千原ジュニア。ちょっと毒舌でひねりのきいたしゃべりが小気味よく、頭の回転の速さもうかがえる著者のリアルな14歳をつづった自伝的小説。

少年は、誰をも受け入れず、そうすることで自分とだけ向かい合う。

探しているのは”自分”であって、決して自分を入れておくのに都合のいい器ではない。

僕は走らなかった。

僕が走らなければいけないコースは、そのコースじゃないと想ったから。

僕が走らなければいけないコースは、違うどこかにあるはずだと想ったから。

僕がいまするべきことは僕が走らなければならないレース場を探すことだと想ったから。

そのレース場がどこにあるのかなんてまったく解らないけれど。

やがて、少年は自分で鍵を開けて外の世界へと再び踏み出す。

これは、みんなも知っている「千原兄弟」のはじまりの物語でもある。

いま、自分がしたいことがわからずに悩んでいる人、何かを見つけたくてもがいている人、きっと共感できる部分があるんじゃないかな。

あなたにも、きっと、何かが見つかることを祈っています。

それから、引きこもりの家族を心配しているおうちの方にも読んで欲しい。

彼らもまた、大きな迷いの中にいてその扉を開ける鍵は彼ら自身が持っている、としか言えないような気がする。

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