安東みきえ『ゆめみの駅遺失物係』

  • 短編風の小さな物語
  • 朝読書にもおすすめ
  • 小学校高学年からおすすめです

だれかが忘れた小さな物語

みなさんは、失くしものをすることがありますか?

どんなものをよく失くしますか?

わたしはおっちょこちょいなので、よく失くしものをします。落とし物も得意です。

一週間に一回は朝の出がけに「鍵がない!」と言っています。←だいたいすぐに見つかります。

一日に一回は「スマホはどこなの?」と騒ぎます。←聞かれても困ります。

この物語にでてくる女の子も、とある失くしものをしてしまったみたいなのです。

しかも、なにを失くしたのか思い出せないんです。

わたしよりもおっちょこちょいです。

何を失くしたのかも思い出せないまま、女の子は駅の「遺失物係」をたずねます。そこへ行けばきっとみつかるよ、と電車の中でおばあさんが教えてくれました。

女の子は遺失物係の人に伝えました。

「気づいたら亡くなっていたんです。でも、失くしてしまったのでどんなものだったのかが、今となってはもうわからないんです」

そんなこともあります。

遺失物係と話しているうちに女の子は、失くしものが何だったのか思い出しました。

「おはなし」です。

そんなものを見つけるのは無理だろうと思うでしょう?

でもなんと、その遺失物係には失くしたおはなしも届けられるのです。

「拾われて届けられた物語は、ぜんぶここに保管してあります」

遺失物係は「習得物語台帳」をめくり、ここに届いたおはなしを読み聞かせてくれます。


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石が好きな女の子アヤのおはなし

飛べない鳥ドタのおはなし

恐竜が好きなバクの男の子のおはなし

動物たちがいる夢のようなおうちのはなし

二匹の蝶ルリシジミのおはなし

入院中の小さな男の子のおはなし

青い人魚とてんとうむしのおはなし

女の子は自分の失くしたおはなしを見つけるために、毎日、駅の遺失物係をたずねます。


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みなさんもありませんか?

電車で揺られているときや、眠りに落ちる瞬間に

ふっとちいさなおはなしが思い浮かんで、あとからは思い出せなくなってしまうようなこと。

あるいは、そんなおはなしが思い浮かんだことも忘れてしまっているかもしれません。

あなたの失くしたおはなしも、ゆめみの駅の遺失物係に届いているかもしれませんよ。

ほっこりします。

酒井駒子さんの表紙で、ポプラピュアフル文庫からも出版されました。

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