2017年全国公立高校入試問題に出た論説文と注目の新書3冊

2017年全国高校入試問題【国語】論説問題に出典された新書をまとめています。その中から、入試問題によく出た論文や、中学生・高校生にも読んで欲しい注目の本を3冊紹介。受験生のみなさんの本選びの参考にどうぞ。

※個人的に情報収集したものですので、参考までに。

注目1:稲垣栄洋 『植物はなぜ動かないのか 弱くて強い植物のはなし』

2017年公立高校入試問題のでいちばん出典のあった論説文です。【石川県】【滋賀県】【愛媛県】【熊本県】の問題に出典されました。踏まれても、雨にぬれても、その逆境を繁殖に利用するオオバコの強さを記した文章にオオバコのすごい戦略がうかがえます。植物たちの賢い生き方が見えてくる1冊です。

稲垣栄洋さんは植物学者です。その他著書に『蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか』(角川ソフィア文庫)、『たたかう植物 仁義なき生存戦略』(ちくま新書)などがあります。

注目2:石井洋二郎・藤垣洋子 『大人になるためのリベラル・アーツ』

「リベラル・アーツ」という言葉が最近注目されています。リベラル・アーツとは、わかりやすく言うと「教養」。いま、大学教育の中で「教養」が見直されています。なぜいま「教養」なのか?いま必要とされている「教養」とはなにか?東京大学名誉教授の石井洋二郎氏と、東京大学教授の藤垣洋子氏が、大人になるために必要な教養について教えてくれます。子どもに関わる大人の人にも。
池上彰さんも大学でリベラルアーツを教えています。

注目3:吉本隆明 『15歳の寺子屋 ひとり』

吉本隆明さんは詩人であり評論家。作家・よしもとばななさんのお父さん、と言った方が中高生のみなさんにはわかりやすいかな。吉本隆明さんが、一年にわたり、15歳の男女4人を相手に行われた小さな寺子屋授業を書籍化しました。吉本さん自身の少年期・青年期のお話をはじめ、「自分」とどう向き合い成長していけるかを考えるヒントに。大人にもおすすめです。

全国公立高校入試問題国語【論説】出典まとめ

国語入試問題に出典された論説文を地域ごとにまとめています。本選びの参考にどうぞ。

【北海道・東北】入試問題に出た論説文

【北海道】 坂川栄治 『「光の家具」照明』
【青森県】 高階秀爾 『実体の美と状況の美』
【岩手県】 佐倉統・古田ゆかり 『おはようからおやすみまでの科学』
【宮城県】 池内了 『現代科学の歩きかた』
【秋田県】 黒崎政男 『哲学者クロサキの哲学超入門』
【山形県】 稲垣公夫 『深く、速く、考える。本質を瞬時に見抜く思考の技術』
【福島県】 西垣通 『ビックデータと人工知能』

【関東】【北海道・東北】入試問題に出た論説文

【茨城県】 安藤宏 『「私」をつくる 近代小説の試み』
【栃木県】 高階秀爾 『日本人にとって美しさとは何か』
【群馬県】 一川誠 『「時間の使い方」を科学する 思考は10時から14時、記憶は16時から20時』
【埼玉県】 石井洋二郎・藤垣洋子 『大人になるためのリベラル・アーツ』
【千葉県】 三好由紀彦 哲学のメガネ 『哲学の眼で<世界>を見るための7つの授業』

【東京都・神奈川県】入試問題に出た論説文

【東京都】 原田信男 『日本人はなにを食べてきたか』
【進学重点校】
河野哲也 『<心>はからだの外にある「エコロジカルな私」の哲学』
中沢新一 『芸術人類学』
小林道憲 『芸術学事始め 宇宙を招くもの』
苫野一徳 『「自由」はいかに可能か 社会構造のための哲学』
野矢茂樹 『心という難問 空間・身体・意味』
鈴木一雄 『物語文学を歩く』
仁平勝 『日本の詩と季節』
【単位制】内山節 『「里」という思想』
【中高一貫】 『大澤真幸 <社会性>への不可解な進化』
【神奈川県】 内山節 『半市場経済 成長だけでない「共創社会」の時代』

【中部】入試問題に出た論説文

【新潟県】 大岡信 『詩・ことば・人間』
【富山県】 齋藤孝 『日本人は何を考えてきたのか』
【石川県】 稲垣栄洋 『植物はなぜ動かないのか 弱くて強い植物のはなし』
【福井県】 國分功一郎 『世界のイメージ』
【山梨県】 山崎亮 『ふるさとを元気にする仕事』
【長野県】 石黒浩 『アンドロイドは人間になれるか』
【岐阜県】
【静岡県】 池田晶子 『14歳からの哲学 考えるための教科書』
【愛知県A】 森本哲郎 『日本語 表と裏』
 加藤博子 五感の哲学 『人生を豊かに生き切るために』
【愛知県B】 梅棹忠夫 『知的生産の技術』
 今井むつみ 『学びとは何か〈探求人〉になるために』

【関西】入試問題に出た論説文

【三重県】 高槻成紀 『動物を守りたい君へ』
【滋賀県】 齋藤孝 『コミュニケーション力』
 稲垣栄洋 『植物はなぜ動かないのか 弱くて強い植物のはなし』
【京都府】 石井洋二郎・藤垣洋子 『大人になるためのリベラル・アーツ』
【大阪府A】 山泰幸 『だれが幸運をつかむのか 昔話に描かれた「贈与」の秘密』
【大阪府C】 長谷川宏 『高校生のための哲学入門』
 高階秀爾 『日本人にとって美しさとは何か』
【兵庫県】 杉田敦 『政治的思考』
【奈良県】 利根川進 『つながる脳科学「心のしくみ」に迫る脳研究の最前線』
 光嶋裕介 『これからの建築 スケッチしながら考えた』
【和歌山県】 松岡慧祐 『グーグルマップの社会学 ググられる地図の正体』

【中国】入試問題に出た論説文

【鳥取県】 池内了 『科学の限界』
【島根県】 榎本博明 『<自分らしさ>って何だろう?自分と向き合う心理学』
【岡山県】 白井聡 『消費者社会とは何かー「お買い物」の論理を超えて』
【岡山旭高校】 斎藤慶典 『中学生の君におくる哲学』
【広島県】 鷲谷いずみ 『自然再生 持続可能な生態系のために』
【山口県】 仙田満 『人が集まる建築 環境×デザイン×こどもの研究』

【四国】入試問題に出た論説文

【徳島県】 山﨑武也 『外国人は日本文化の「何」を知りたがっているのかーそのエッセンスは茶道の中にー』
【香川県】 』
【愛媛県】 稲垣栄洋 『植物はなぜ動かないのか 弱くて強い植物のはなし』
 佐藤雅彦 『テイク1とテイク17』
【高知県】 吉本隆明 『15歳の寺子屋 ひとり』
 辻野亮 「生物多様性とどう接していますか」(『生物多様性 子どもたちにどう伝えるか』より)

【九州・沖縄県】入試問題に出た論説文

【福岡県】 山鳥重 『「わかる」とはどういうことかー認識の脳科学』
【佐賀県】 宮脇昭 『木を植えよ!』
【長崎県】 中村圭子 『知の発見 「なぜ」を感じる力』
【熊本県】 稲垣栄洋 『植物はなぜ動かないのか 弱くて強い植物のはなし』
【大分県】 内田樹 『身体に訊くー言葉を伝えるとはどういうことか』
【宮崎県】 山極寿一 『サル化する人間社会』
【鹿児島県】 榎本博明 『「みっともない」と日本人』
【沖縄県】 小林康夫 『学ぶことの根拠』

受験生におすすめの本

2017年全国の公立高校入試の国語問題に出典された現代文や古典を都道府県ごとにまとめています。合わせて参考にどうぞ。