日本の中学生・高校生にもおすすめしたい全米アレックス賞の15冊

少年少女のためのブックリスト:日本の中高校生にも読んで欲しい全米アレックス賞15冊

海外の10代はどんな本を読んでいるのでしょう。おもしろい海外文学を読んでみたい人には、海外のYA向けの文学賞受賞作品から本を選んでみてはいかがでしょう。

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全米図書協会アレックス賞

私が好きなのは、全米図書館協会が一年に一度選ぶ、12歳から18歳までのヤングアダルトに特に薦めたい大人向けの本10冊であるアレックス賞です。毎年10冊づつ様々なジャンルから選ばれ、日本語翻訳もよく出版されています。映画化作品も多く、世代を問わずおすすめの作品ばかりです。
 小説としてのエンターテイメント性だけでなく、平和や人種問題など社会的なテーマを取り上げた作品も多いので、物語として読み応えがあるだけでなく、自分と向き合い考えを深める読書体験ができるはずです。日本の中学生・高校生にもぜひ読んでほしい15作品を選んでみました。
ここでおすすめする本は分厚い本が多い(しかも大人向け)ですが、お薦めというだけあって、おもしろい作品が多いので、読み切れると思いますよ。読み終えた後で数日ぼーっとしてしまうほどの余韻があるので、長期休暇にいかがですか。

実は、日本の人気小説が選ばれていますよ。どんな作品かチェックしてみてね。

『部屋』エマ・ドナヒュー

ジャックは5歳、ママとふたりで小さなへやに暮らしている。生まれてから一度もへやの外に出たことがないジャックは、外に本物の世界があることを知らない。ママは誘拐され、ふたりはこのへやに閉じ込められているという”ほんとう”を聞かされたジャック。ふたりは、脱出の計画を立てて、実行する。
生まれてはじめて触れた”世界”は5歳のジャックにどう映るのか。世界の鮮やかさ、美しさ、目まぐるしさ、戸惑い…この物語は、広い世界に放り出される不安を超えて、踏み出す勇気を与えてくれる1冊です。2011年アレックス賞受賞。映画化もされ話題作となりました。

『解錠師』スティーヴ・ハミルトン

8歳の時、ある事件のトラウマか言葉を話さなくなった少年。あるきっかけから金庫破りの世界に足を踏み入れてしまう。芸術的な解錠技術で魅せる華麗な仕事さばきと、だれとも共有できない強い孤独、そしてアメリアとのはじめての恋…。犯罪に手を染めざるを得ない少年の切ない孤独に迫る青春ミステリー。
2011年アレックス賞受賞。日本版「このミステリーがすごい!2013年版海外編」を受賞するなど、海外でも数々のミステリー賞を受賞した話題作。

『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ

自他共に認める優秀な介護人であり、【提供者】の世話をする仕事をしている。まもなく介護人の仕事を終えようとしているいま、生まれ育ったヘールシャムの施設での日々に思いを馳せる…。繊細で静かに語られる回想シーン、穏やかさに奥に小さなさざ波のように漂う違和感。彼らが生まれた残酷な理由を知る時、人間の在り方を突き付けられ、心がひやりとするような触感に襲われます。
2006年アレックス賞受賞。映画化のほか、日本版でドラマ化もされました。ノーベル文学賞受賞作家の圧倒的な文章力をぜひ味わってください。

『卵をめぐる祖父の戦争』デイヴィッド・ベニオフ

「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している。」
1942年のレニングラード、思いがけない出来事でソ連軍の兵士に捕えられた17歳のレフは、拘置所で知り合った脱走兵コーリャとともに、秘密警察の大佐からある重要任務を言い渡される。それは、一週間で、卵を1ダース手に入れてくるというものだった。物資のない中、どこに卵があるというのか?
大佐の娘の結婚式のために卵を探すという、緊迫した戦時中とは思えないばかばかしい旅をセンス良くユーモラスに描いた傑作です。2009年アレックス賞。

「マーダーボット・ダイアリー」マーサ・ウェルズ

過去に大量殺人を犯した“弊機”は、記憶を消され、感情を持たない警備ユニットとして、日々業務を遂行しているが、実は意思の自由とドラマへのアクセス権を手に入れていることは秘密だ。さらに自由を手に入れた”弊機”は、自分の過去の調査をはじめる。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の三冠を達成した、いま人気のSF小説!

『告白』湊かなえ

「愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたのです」中学一年生の終業式の日、担任の突然の告白からはじまる復讐劇。止まらずに肥大してゆく悲劇の結末が気になり、一気読みしてしまうこと間違いなし。日本では子どもに読ませたくない本として人気(?)のイヤミスですが、2015年全米図書協会アレックス賞を受賞。日本人初の同賞の受賞です。

『わたしのなかのあなた』ジョディ・ピコー

アナ・フィッツジェラルドは13歳の女の子。白血病の姉ケイトのために何度も輸血や骨髄移植のドナーとして身を捧げてきた。ケイトのために両親は腎臓移植を決意するが、アナは両親を訴える裁判を起こす。あなたの体はあなただけのもの?10代の少女を主人公に医療や人権をテーマとした小説です。
2005年アレックス賞受賞。

『赤と白とロイヤルブルー』ケイシー・マクイストン

アメリカ初の女性大統領の長男・アレックスはイギリス王室ヘンリー王子が苦手。ロイヤルウエディングの晩餐会の席で、アレックスはヘンリーとウエディングケーキを倒してしまうハプニングを起こし、世間は大騒ぎ。ホワイトハウスと英国王室が思いついたのは、ふたりの仲良しアピール作戦⁉セレブの恋愛をコミカルに描きながら、ふたりが葛藤し決断する姿をまっすぐに描く恋愛成長物語。

『ニッケル・ボーイズ』コルソン・ホワイトヘッド

フロリダ州にある少年院をモデルにした小説。社会復帰のための職業訓練と教育プログラムを売りにし100年以上続いたその学校が閉鎖したあと、敷地から多数の遺骨が発見された。元生徒たちの訴えから、この学校で当時、日常的な虐待が行われていたことがわかった。墓地とは別の場所に埋葬されていた名もなき少年たちの声を伝える物語。

『テロリストの息子』ザック・エブラヒム

父親がテロリスト、そんな状況を冷静に受け止められる人はいるだろうか。1993年、投獄中の父親がNY世界貿易センターの爆破を計画・実行した。親の犯罪のよる差別と苦しみから、息子である著者は自分の世界をどう選択するのか。アメリカ、中東、世界のいまを知る手掛かりにもなる。2015年アレックス賞受賞。

『ペナンブラ氏の24時間書店』ロビン・スローン

「ペナンブラ氏の24時間書店」で働き始めたクレイ。天井まで高い書架に並んでいるのは、グーグル検索にはヒットしない本ばかり。ここの本を求めてやってくるのは奇妙なお客ばかり。この書店では一体なにが行われているのか⁉元ウェブデザイナーのクレイは、グーグル社員のガールフレンドたちとともに、最新技術を用いて書店の秘密を解き明かす。本を読むことの意味に気付かせてくれる本好きに強くおすすめしたい青春小説。2013年アレックス賞受賞。

日本でも読めるアレックス賞

アレックス賞受賞作品より日本語翻訳が出版されている本をまとめています。忘備録を兼ねて未読の本にAmazonの商品ページへリンクを入れてあります。


2020年
ケイシー・マイクストン『赤と白とロイヤルブルー』
2018年
マーサ・ウェルズ『マーダーボット・ダイアリー』( 「システムの危殆」で受賞)
ショーニン・マグワイア 『トランクの中に行った双子』

2017年
ショーニン・マグワイア『不思議の国の少女たち』
マット・サイモン『たいへんな生きもの――問題を解決するとてつもない進化』

2016年
タナハシ・コーツ 『世界と僕のあいだに』

2015年
アンソニー・ドーア 『すべての見えない光』
アンディ・ウィアー 『火星の人』
ザック・エブラヒム 『テロリストの息子』

2014年
リサ・オドネル 『神様も知らないこと』

2013年
ロビン・スローン『ペナンブラ氏の24時間書店』

2012年
エリン・モーゲンスターン 『夜のサーカス』
アーネスト・クライン 『ゲームウォーズ』
ダニエル・H・ウィルソン 『ロボポカリプス』

2011年
リズ・マレー 『ブレイキング・ナイト ホームレスだった私がハーバードに入るまで』
スティーヴ・ハミルトン 『解錠師』
エイミー・ベンダー 『レモンケーキの独特なさびしさ』
エマ・ドナヒュー『部屋』

2010年
ウィリアム・カムクワンバ『風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった』
デイヴィッド・フィンケル 『兵士は戦場で何を見たのか』
デイヴィッド・スモール『スティッチ あるアーティストの傷の記憶』
ケヴィン・ウィルソン『地球の中心までトンネルを掘る』

2009年
デイヴィッド・ベニオフ 『卵をめぐる祖父の戦争』
スティーヴン・キング 『夜がはじまるとき』 『夕暮れをすぎて』

2008年
イシメール・ベア 『戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった』
ロイド・ジョーンズ『ミスター・ピップ』

2007年
マイケル・ルイス 『ブラインド・サイド しあわせの隠れ場所』

2006年
カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで』

2005年
ロバート・カーソン『シャドウ・ダイバー――深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち』
ジョディ・ピコー 『わたしのなかのあなた』
ジム・シェパード『14歳のX計画』

2004年
マーク・ハッドン 『夜中に犬に起こった奇妙な事件』
マーク・サルツマン『プリズン・ボーイズ――奇跡の作文教室』

2003年
パット・コンロイ『失われた季節』
ジュリー・オオツカ 『あのころ、天皇は神だった』

2002年
ジェラルディン・ブルックス 『灰色の季節をこえて』
2001年
トレイシー・シュヴァリエ『真珠の首飾りの少女』

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