福田隆浩『グッバイ マイ フレンド』

グッバイマイフレンド
  • 小学校高学年向け
  • 命について考える連作短編小説

突然いなくなったクラスメイト

*もくじ*
第一話 満月/第二話 マルオ/第三話 写真集/第四話 粉雪/第五話 幼なじみ/第六話 タイムカプセル

六年一組の教室にひとつだけ空いている机がある。クラスメイトのタクヤくんが座っていた席だ。タクヤくんは、ある日突然、いなくなってしまった。

おじさんの住む港町に泊りがけで遊びに行っていたタクヤくんは、防波堤にひとりで釣りに出かけ、突然の高波に襲われた。気づいた時には、タクヤくんの釣り竿だけが波間に漂っていた。タクヤくんが見つかったのはそれから三日後だった。

明るくて、元気で、ときどきいたずらもするけれど、素直で無邪気なふつうの小学六年生だった。氷のように冷たくなったタクヤくんの目は二度と開くことはなかった。

ある日突然いなくなってしまったタクヤくんが死んだなんて、まだ思えない。ぽっかりと空いた机のように、どうしていいかわからない。

タクヤくんに告白するつもりだった女の子も、テニスで一緒に県大会を目指していたアイツも…かんたんに忘れることなんてできないし、うまく乗りこえて思い出になんてできるわけがない。クラスメイトの死と向き合う6つの物語。

毎日のようにずっと一緒に過ごしてきたクラスメイトがある日突然いなくなるなんて、どんな感じか想像つかないと思う。この本を読んでもピンとこないかもしれない。だって、この本に出てくる子どもたちも、自分たちでよくわからないのだから。また戻ってくるんじゃないかっていう気もするし、もう戻ってこないということを怖いと感じる子もいる。

死の受け止め方もそれぞれ。みんなの中に、自分だけのタクヤくんがいて、その日々を忘れずにいる。それぞれ、どんな風に辛さを乗り越えていくのか、読んでみてね。

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