- 第135回直木賞受賞作
- 映画化ドラマ化の人気作
あらすじ
東京のはずれにあるまほろ市の駅前で便利屋を営む多田。ある日、多田の元にひとりの男が転がり込んできた。男は、高校時代の同級生の行天春彦。
ペットの散歩、塾の送り迎え…ふたりのもとにやってくる依頼は、どれもありふれたものだが、個性的な依頼人たちのおかげで、これがただでは終わらない。
飄々としつつも、ドタバタになっていく様がなんとも滑稽で、こちらもつい巻き込まれてしまう。触れられたくない傷をもつふたりが、心の支えとなりながらともに生きる。友情と家族のまんなかのようなふたりの関係に、胸をつく爽やかさがある。
(『まほろ駅前番外地』P128) 「男ってのは、一人でいるとおとなしいけれど、二人以上集まるととたんに、一緒になって悪だくみをはじめるもんなんだから。 …中略… 「女性の場合は、どうなんです」 「女は一人で悪いことを考えるものさ」 麦茶で湿った唇を舐め、ばあちゃんはにんまり笑った。「二人以上になると、互いに牽制しあって、おしとやかなふりをする。裏では牙を剥きあいながらね」 |
曽根田のばあちゃんがかつてのロマンスを語る章はお気に入り。
おすすめポイント
第135回直木賞受賞作
この時は、森絵都さんの『風に舞うビニールシート』と2作同時受賞でした。
選考委員のみなさんが高評価。読後感のよさやストーリー性が評価されました。渡辺淳一氏からは「ボーイズ・ラブ」という言葉も飛び出し、しをんさんの作品がもつか艶めいた空気をさすがに鋭く読まれていますね。
この小説は、中学生にもおすすめです。男女どちらにも。
漫画
2009年、山田ユギさんにより漫画化されました。
映画・ドラマ化
2011年4月劇場公開
【監督】大森立嗣
【キャスト】
多田:瑛太
行天:松田龍平
主題歌:くるり「キャメル」
シリーズ1作目の『まほろ駅前多田便利軒』に続き、
2013年にシリーズ2作目の『まほろ駅前番外地』がドラマ化、
2014年には3作目の『まほろ駅前協奏曲』が映画化されました。
2013年のお正月に、ドラマ化に先駆けて本を購入して楽しみにしていたのですが、テレビ東京系列がウチでは放送されなかったんですよね(T_T)
ふたりのキャストが原作とぴったりでした。逆パターンもおもしろいかも。
著者プロフィール
三浦しをん
1976年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
2000年『格闘する者に○』でデビュー。映画化やアニメ化されている作品も多く人気の作家さん。
【受賞歴】
『まほろ駅前多田便利軒』直木賞
『舟を編む』第9回本屋大賞
『あの家に暮らす四人の女』織田作之助賞
本をチェックする
『まほろ駅前多田便利軒』は3部作の人気シリーズです。
・まほろ駅前多田便利軒
・まほろ駅前番外地
・まほろ駅前協奏曲
映画・ドラマ化の人気で関連書籍もたくさん出版されています。
この本を読んだみんなの感想