安東みきえ『ワンス・アホな・タイム』

安東みきえ『ワンスアホなタイム』

昔話やおとぎ話が好きな人におすすめしたいシュールでコミカル笑える短編集を紹介します!

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むかしむかしあるところに

子どもたちが小さいころ、毎晩よみきかせをしたものだ。たいていは本のページをめくりながら読んで聞かせるのだが、疲れ切ってもう眠くてしょうがない夜もある。ページをめくるエネルギーすら残っていない、いや、本を持つパワーもない。そんな時はもう自分も一緒に眠ってしまう覚悟で、電気も消して布団に入り、浮かぶままに昔話やおとぎ話を話して聞かせる。しかし、ただ話して聞かせるものなんだかつまらないので、子どもたちを主人公にしたでたらめ話をはじめる。

山でけんかしていた2人が川に落ちて、流れてきた桃に潜り込んだところ、洗濯していたばあさんに拾われる。大きくなった桃太郎は、都会に行きたいからとじいさんとばあさんに金をせがむようになり……などと、どこまで大きくなるのか分からない尾ひれがつく。これが、子どもたちにとってはおもしろいようで、ゲラゲラと笑い出し転げまわって、眼が冴えて眠れないのがオチ。さらに翌日には、「もっとおもしろい話を出せ」と子どもたちにハードルを上げて迫られる始末。ただの読書好きの主婦から、そんなにポンポンと簡単に爆笑ショートショートが飛び出すわけがない。それができるなら、とっくに作家デビューしとるわ。とはいえ、こんな感じで夜な夜なオリジナルストーリーを生み出しているお母さん作家は少なくないだろう。

あのころ、子どもたちにこんなお話を聞かせてあげたかったという小さなお話が詰め込まれているのが、安東みきえさんの『ワンス・アホな・タイム』

英語の「Once upon a time」は翻訳すると「むかしむかし~」という日本でもおなじみの昔話の書き出しの定型文である。
ここに出てくるのは、日本でもおなじみの昔話やおとぎ話っぽいお話。眠りが好きなあの姫や、カメを助けるあの少年に似ているけれど、でもちょっと違うっぽい。昔話やおとぎ話には、どこか道徳的な要素が織り込まれていたりするけれど、ここに出てくるのは、シュールでコミカルに笑える「アホな」お話ばかり。肩の力を抜いて、ただただ物語を楽しんで。

目次

おめざめですか、お姫様
バカなんだか利口なんだか
きみの助言
魔法のパンの実
ウミガメの平和
呪われた王子たち
木霊の住む谷

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単行本: 171ページ
出版社: 理論社
発売日: 2011/11/1

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ゆう

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