「人として生きる」とはどういうことなのだろう、と考えさせられる。
1920年代、ひとりの男の子が生まれた。彼の名前はピーティ。
奇妙にねじれた体、表情のない顔、うつろな目。
ピーティは知的障害があると間違った解釈をされ、精神病院の施設で暮らす日々をつづった第1章。
脳性まひへの誤解が解かれ、老人施設での生活を始めたピーティと少年オリバーとの出会いをつづった第2章。
あきらめにも似た単調な日々の中、生きることの喜びを見出していくピーティの姿に、「人として生きる」とはどういうことか、考えさせられます。
障害に対する理解の歴史、障害を持って生きるということ、障害に関して様々な角度から接することのできる本です。
障害に対してまっすぐに描かれているので、読み始めは少し戸惑います。読み進めていくうち、ピーティを理解して、だんだん彼との距離が近くなっていくような感覚になります。これって、まさにオリバーがピーティに接していくうちに考えがかわってくるのと同じ感覚なのだと思う。読後は、「障害」がより身近で恐れる必要のないものなのだ、ということに気づくはず。
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ハードカバー: 333ページ
出版社: 鈴木出版
ISBN-13: 978-4790232322
発売日: 2010/5/1