少年少女のための【すばる新人賞】おすすめ5冊!

すばる新人賞

小説すばる新人賞は集英社が発行する小説誌『小説すばる』が公募するエンターテイメント小説の新人賞です。集英社では、すばる文学賞、柴田錬三郎賞、開高健ノンフィクション賞、小説すばる新人賞を【集英社出版四賞】と呼んでいます。集英社の中の文学賞四天王というところでしょうか。

小説すばる新人賞は、朝井リョウさんや萩原浩さん熊谷達也さんなど、その後直木賞を受賞されている作家さんも数多く輩出している、注目の文芸新人賞です。1988年からスタートし、2017年に第30回を迎えました。これまでの受賞作の中から10代におすすめの6冊を紹介します。

朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』

第22回(2009年)小説すばる新人賞受賞作。早稲田大学在学中の受賞となり、初の平成生まれの受賞者となりました。映画化もされ話題となりましたよね。ちなみに朝井リョウさんは、2013年に『何者』で第148回直木賞を受賞していますが、この時も、史上初の平成生まれの受賞者となりました。文学界では【初の平成生まれ受賞】を総なめしているかもしれませんね。
高校生たちの日常を描いたオムニバス小説は、ぜひとも高校生におすすめです!

青羽悠『星に願いを、そして手を』

史上初の受賞といえば、こちらも。青羽悠さんは、20000年生まれ。間違えた!驚きのあまり「0」をたくさん打ってしまいました。2000年生まれ、現役高校生での同賞受賞は史上初となりました。高校生らしい瑞々しい感性で描かれた青春群像劇です。

関口尚『プリズムの夏』

高校生を主人公にした受賞作ならこちらもおすすめ。第15回(2002年)小説すばる新人賞受賞作。高三の「ぼく」は映画館で働く松下さんに恋をしていた。だが、彼女はうつ病日記をネットで書く「アンアン」ではないかと思い始め…。年上の女性に恋をしてしまう男の子の気持ちがちょっとわかるかも。

村山由佳『天使の卵―エンジェルス・エッグ』

ところで、どうして男性って年上の女性に惹かれちゃうんでしょうね。第6回(1993年)小説すばる新人賞受賞。19歳の芸大を目指す予備校生の“僕”が満員電車で恋をした。相手は、8歳年上の精神科医。ふたりの切ない恋の行方は…。恋愛小説を読みたい人に。

 周防 柳『八月の青い蝶』

最後におすすめするのは、「戦争」をテーマに描いた第26回(2013年)小説すばる新人賞受賞作。
中学1年生の時に広島で被爆し、急性白血病で余命いくばくもない亮輔。亮輔が日頃大事にしていた仏壇の引き出しの奥から、妻と娘は、古びた蝶の標本箱を見つけます。軍人だった父、気丈な母、そして父の幼い愛人・希恵とのつかの間交わした恋心…すべては1945年の8月に止まったまま。人生の最期に亮輔は、あの頃の淡い記憶とあの戦争が遺したものに思いを馳せます。

おすすめの本あります

いかがでしたか。すばる新人賞は、若い世代の受賞者も多く、中学生・高校生にもおすすめの作品がたくさんあります。どんな本を読もうかなと迷ったら、ここから選んでみるのもおすすめですよ。