朽木祥『海に向かう足あと』

朽木祥『海に向かう足あと』
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  • 実力派児童文学作家・朽木祥が描くこの世界の果て
  • わたしたちはまだ間に合うのだろうか

この世界がどれほどの美しい均衡を保ち存在しているのか、わたしたちは本当の意味で知ろうとしていないのかもしれない。

あらすじ

 

競技ヨット月天号のクルーメンバー6人は、キャプテンの村雲をはじめ30代の諸橋、三好、『宝島』の船長みたいな顎ひげが自慢のオールドソルト相原さん、まだ20代半ばのふたり研人とヨットニートの洋平と三世代にわたる。みな気の置けない人たちで、週末には母港の三浦半島風色湾に集まりトレーニングに励んだり、時には思い思いにセーリングを楽しんでいた。

とはいえ、月天号もそろそろ四半世紀を超えるオールドシップ。時計が壊れ、羅針盤が壊れ…老朽化に悩まされていた折、幸運なことに新しい艇が手に入る。

風の竪琴すなわち「エオリアン・ハープ」号と名付けられた新艇で、翌年のゴールデンウィークに行われる外洋レースに参加することを決めた。

レースのスタートとなる三日月島は小笠原諸島の手前にある月待諸島の中でも最も小さな島だ。外周2.8キロ。上空から眺めると、目の覚めるような青さの海に囲まれて、三日月の形をしている。島にはヨットハーバーと部屋数わずか10室の小さいホテルがあるばかり。どの部屋からも海が見渡せるオーシャンビューと贅沢な料理の楽しめるホテルと自然の形をいかしてそのまま海に乗り出せるハーバーは、ヨット乗りにとって夢のような島だ。

ひごろ、ヨットばかりで家族サービスもままならないメンバーたちは家族と三日月島で過ごしながらレースに参加するプランを立てる。

テロが続く不安定な世界情勢に小さな気がかりを抱えながらも、それぞれに家族、仕事、恋人と希望を見据えレースに向き合う。

すべてが、取り留めのない日常だった…。

 

ここで綴られる、ごく当たり前の物語はまぎれもない私たちの日常。当たり前に明日がやってくるという安定の中で、しっかりと目を開けて直視しなければならない問題はすぐとなりではなく、ここにあるという現実。

「ミヨちゃんは、子ども持つの、怖くないの?」

「怖いも何も、子どもは欲しいよ」

「こんな世界情勢なのに?」

世界は美しく、終わりなくどこまでの続くかのように見える。艇を走らせて行けばどこへでもたどり着けるような気がする、と彼らは言った。

その先に待っているのは、希望であってほしいとただ願う。

希望をにぎるのは、まぎれもない私たちだと思いたい。

ディストピア小説と言われていますが、ちょっと違う印象。ひとつひとつの会話の何気なさ、見えている現実、すべてがリアリティ小説だと思う。現実世界の結末は、物語と違ったものになることを期待したい。

ブックデータ

数々の児童文学賞を受賞している朽木祥さんが描く、いまわたしたちの物語。

内容は知らずに読んでほしい物語なので、ここで伝えるあらすじは、本当にざっくりとしたものにしています。最後まで読み切って欲しいです。

美しい自然と美味しい食べ物べ物がたくさん出てくる物語です。ここにある美しさを次の世代にしっかりと手渡していきたいですね。

 

 

一般小説
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ブックス雨だれ店主
ゆう

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