2015年:新潮社文庫【ピース・又吉が愛してやまない20冊!】

ピース又吉が愛してやまない20冊

新潮社が又吉直樹さんのおすすめ本をテーマにした特集を企画。
その名も「ピース・又吉が愛してやまない20冊!」
太宰が好きで純文学が好きな又吉直樹さんの愛してやまない本とは?
新しい本に出会いたい人に本選びの参考にいかがですか。

又吉直樹さんが好きな私は、ここから本を選んで読みました( *´艸`)

いつか20冊読破してみたいけど。

筒井康隆『最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集』

(BOOKデータベースより)
ドタバタとは手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のことである。健康ファシズムが暴走し、喫煙者が国家的弾圧を受けるようになっても、おれは喫い続ける。地上最後のスモーカーとなった小説家の闘い「最後の喫煙者」。究極のエロ・グロ・ナンセンスが炸裂するスプラッター・コメディ「問題外科」。ツツイ中毒必至の自選爆笑傑作集第一弾。

中村文則『遮光』

【高校生からおすすめ】死んだ恋人が生きているような口ぶりで語る男。男は恋人が死んでいるある証拠を常に持ち歩いている…狂気と純愛を描く、中村文則さんの芥川賞候補作。

稲垣足穂『一千一秒物語』

(BOOKデータベースより)
少年愛、数学、天体、ヒコーキ、妖怪…近代日本文学の陰湿な体質を拒否し、星の硬質な煌きに似たニヒリスティックな幻想イメージによって、新しい文学空間を構築する“二十一世紀のダンディ”イナガキ・タルホのコスモロジー。表題作のほか『黄漠奇聞』『チョコレット』『天体嗜好症』『星を売る店』『弥勒』『彼等』『美のはかなさ』『A感覚とV感覚』の全9編を収録する。

西加奈子『窓の魚』

(BOOKデータベースより)
温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠落を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一体の死体が残される―恋という得体の知れない感情を、これまでにないほど奥深く、冷静な筆致でとらえた、新たな恋愛小説の臨界点。

『サキ短編集』

不気味な後味を残すミステリーのような作品を「奇妙な味」のメンバーでもあるサキ。くせのある人物たちが織りなす、ブラックなオチのある短編集。中学生から。
あらすじと感想サキ短編集

向田邦子『思い出トランプ』

(内容紹介)浮気の相手であった部下の結婚式に、妻と出席する男。おきゃんで、かわうそのような残忍さを持つ人妻。毒牙を心に抱くエリートサラリーマン。やむを得ない事故で、子どもの指を切ってしまった母親など――日常生活の中で、誰もがひとつやふたつは持っている弱さや、狡さ、後ろめたさを、人間の愛しさとして捉えた13編。直木賞受賞作「花の名前」「犬小屋」「かわうそ」を収録。中学生から。

サン=テグジュペリ『夜間飛行』

夜間飛行 (新潮文庫)
新潮社
サン=テグジュペリ (著), 堀口 大學 (翻訳)
(BOOKデータベースより)
第二次大戦末期、ナチス戦闘機に撃墜され、地中海上空に散った天才サン=テグジュペリ。彼の代表作である『夜間飛行』は、郵便飛行業がまだ危険視されていた草創期に、事業の死活を賭けた夜間飛行に従事する人々の、人間の尊厳を確証する高邁な勇気にみちた行動を描く。実録的価値と文学性を合わせもつ名作としてジッドの推賞する作品である。他に処女作『南方郵便機』を併録。

安部公房『R62号の発明』

会社を首にされ、生きたまま自分の「死体」を売ってロボットにされてしまった機械技師が、人間を酷使する機械を発明して人間に復讐する「R62号の発明」、冬眠器の故障で80万年後に目を覚ました男の行動を通して現代を諷刺した先駆的SF作品「鉛の卵」、ほか「変形の記録」「人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち」など、昭和30年前後の、思想的、方法的冒険にみちた作品12編を収録する。

井伏鱒二『山椒魚』

(BOOKデータベースより)
老成と若さの不思議な混淆、これを貫くのは豊かな詩精神。飄々として明るく踉々として暗い。本書は初期の短編より代表作を収める短編集である。岩屋の中に棲んでいるうちに体が大きくなり、外へ出られなくなった山椒魚の狼狽、かなしみのさまをユーモラスに描く処女作『山椒魚』、大空への旅の誘いを抒情的に描いた『屋根の上のサワン』ほか、『朽助のいる谷間』など12編。

太宰治『ヴィヨンの妻』

(BOOKデータベースより)
新生への希望と、戦争を経験しても毫も変らぬ現実への絶望感との間を揺れ動きながら、命がけで新しい倫理を求めようとした晩年の文学的総決算ともいえる代表的短編集。家庭のエゴイズムを憎悪しつつ、新しい家庭への夢を文学へと完璧に昇華させた表題作、ほか『親友交歓』『トカトントン』『父』『母』『おさん』『家庭の幸福』絶筆『桜桃』、いずれも死の予感に彩られた作品である。

太宰治『お伽草紙』

(内容紹介) 困難な戦争期にあって、深く芸術世界に沈潜することで時代への抵抗の姿勢を堅持し、日本文学の伝統を支えぬいた太宰中期の作品から、古典や民話に取材したものを収める。“カチカチ山”など誰もが知っている昔話のユーモラスな口調を生かしながら、人間宿命の深淵をかいま見させた「お伽草紙」、西鶴に題材を借り、現世に生きる人間の裸の姿を鋭くとらえた「新釈諸国噺」ほか3編。中学生から。

夏目漱石『文鳥・夢十夜』

(内容紹介)人に勧められて飼い始めた可憐な文鳥が家人のちょっとした不注意からあっけなく死んでしまうまでを淡々とした筆致で描き、著者の孤独な心持をにじませた名作『文鳥』、意識の内部に深くわだかまる恐怖・不安・虚無などの感情を正面から凝視し、〈裏切られた期待〉〈人間的意志の無力感〉を無気味な雰囲気を漂わせつつ描き出した『夢十夜』ほか、『思い出す事など』『永日小品』等全7編。中学生から。

芥川龍之介『戯作三昧』

(内容紹介)江戸末期の市井の風俗の中で、芸術至上主義の境地を生きた馬琴に、自己の思想や問題を託した「戯作三昧」、仇討ちを果した赤穂浪士の心理に新しい照明をあてて話題を呼んだ「或日の大石内蔵之助」などの“江戸期もの”。闇空に突然きらめいて、たちまち消えてゆく花火のような人生を描いた「舞踏会」などの“明治開化期もの”。ほかに本格的な写実小説「秋」など、現代に材料をとった佳作を網羅した。

古井由吉『杳子・妻隠』

「杳子は深い谷底に一人で座っていた。」神経を病む女子大生 〈杳子) との、山中での異様な出会いに始まる、孤独で斬新な愛の世界……。現代の青春を浮き彫りにする芥川賞受賞作『杳子』。都会に住まう若い夫婦の日常の周辺にひろがる深淵を巧緻な筆に描く『妻隠』。卓抜な感性と濃密な筆致で生の深い感覚に分け入り、現代文学の新地平を切り拓いた著者の代表作二編を収録する。

梨木香歩『家守綺譚』

ちょっと意外なセレクトでした。亡き友人の家に暮らす主人公。売れない作家の綿貫征四郎は、どこか又吉さんっぽい(風貌のイメージが)かもしれませんね。中学生からおすすめ。

谷崎潤一郎『痴人の愛』

艶のある文章で人間の欲望を上手に描く谷崎潤一郎さん。私も衝撃を受けた1冊です。感想は「男ってしょうもない!」男の人と女の人では、この物語の目線が違うのではないでしょうか。高校生から。

村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』

内容紹介
「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より)

『ねじまき鳥のクロニクル』は三部作の作品です。な、長い。

ポール・オースター『幽霊たち』

幽霊たち (新潮文庫)
新潮社
ポール・オースター (著), Paul Auster (原著), 柴田 元幸 (翻訳)
(内容紹介)探偵ブルーが、ホワイトから依頼された、ブラックという男の、奇妙な見張り。探偵小説? 哲学小説? ’80年代アメリカ文学の代表作。

中島敦『李陵・山月記』

(内容紹介)人はいかなる時に、人を捨てて畜生に成り下がるのか。中国の古典に想を得て、人間の心の深奥を描き出した「山月記」。母国に忠誠を誓う李陵、孤独な文人・司馬遷、不屈の行動人・蘇武、三者三様の苦難と運命を描く「李陵」など、三十三歳の若さでなくなるまで、わずか二編の中編と十数編の短編しか残さなかった著者の、短かった生を凝縮させたような緊張感がみなぎる名作四編を収める。

坂口安吾『白痴』

白痴 (新潮文庫)
新潮社
坂口 安吾 (著)
(内容紹介)白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自嘲的なアウトローの生活をくりひろげながら、「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編を収める。
なかなかガツンとくる作品です。高校生からおすすめ。