何を読もうか迷ったらこの本 中学生に読んでほしいおすすめ50冊

中学生におすすめの本50冊

「どんな本を読んだらいいかわららない」
「おすすめの本を読んでみたい」
そんな中学生のみなさんにおすすめの本を紹介します。
「本を読まない」と言われる世代ですが、中学生の多くは決して読書を避けているわけではありません。勉強に部活に忙しい毎日、ゲームも息抜きもしたい。読書をした方がいいという意識はあっても、そのために使える時間はとても少ないのが現状です。
「本を読まない」と言われる一方で、本があふれている時代でもあります。中学生の多くは、読書を意識しながらも「どんな本を選んでいいかわからない」と感じています。貴重な時間の中での読書が充実したものであって欲しいと思います。
ここで紹介する本は、わたしがこれまでに中学生に「読んでみて」と手渡したしてきたおすすめ本ばかりです。おもしろそうな本をみつけたら、まずは手に取って読んでみてください。あまりおもしろくなかったら、また別の本をどうぞ。ここからいくつか選んでいるうちに、自分の好みが見えてくると思います。

おすすめ本選びのポイント

  • 中学生が主人公の物語や中学生に読んで欲しい本
  • 男女どちらにも、本をあまり読まない人にもおすすめの本
  • 中学生におすすめして反応のよかった本
  • 読書感想文にもおすすめの本
  • 中学生のお子さんをもつおうちの方にもおすすめ

50冊に絞るため、ひとりの作家さんから紹介する本は1冊だけというルールで選んでいます。
【BOOKS雨だれ】が中学生におすすめする本。迷ったらここから選んでみてください。

小学校高学年からおすすめの本も紹介しています。中学生にも面白い本です。まだ読んでいないひとはこちらもチェックしてみてね。

中学生の物語を読む

中学生たちが主人公の中学生の物語です。

森絵都『カラフル』

「おすすめを紹介して」と言われたら、まずわたしが手渡すのがこの本。

読書の好みは人それぞれなので、手渡した本が最後まで読まれずに戻ってくることもしばしばありますが、森絵都さんの『カラフル』は手渡された人がもれなく読了する本。もちろん、感想はそれぞれ。「もっと違った本を読みたい」と返却する子も時にはいますが、その子もどうやら最後まで読み終えているらしいのです。この本には、中学生を惹きつけるものがあるのでしょう。小学校高学年から読めますが、おすすめは断然中学生です。

【みんなの感想】

小学生の時に一気に読みました。最後はハッピーエンドでよかったかな。

重松清『きみの友だち』

『エイジ』や『十字架』など中学生たちの友情やいじめなどをテーマに、そのリアルな心情を描いた作品の多い重松清さん。おすすめの本ばかりなのですが、中学生に1冊だけ選ぶとしたら『きみの友だち』です。中学校の国語教科書でもおすすめ本として紹介される定番ともいえる重松さんの代表作。物語のたびに主人公が変わる連作短編なので、自分ににている誰かに出会えるかもしれません。普段あまり本を読まない人にも読みやすいですよ。

梨木香歩『西の魔女が死んだ』

学校に行けなくなったまい。おばあちゃんの家で暮らすことになったまいはおばあちゃんと「魔女修行」の日々を送ります。自然の中で、自然の声に耳を傾けて暮らすこと。生きるために必要な強さとはなにか、ゆっくりと流れる時間の中で気づかせてくれるような1冊です。

【みんなの感想】

この本好きです。まいとおばあちゃんのように自然に囲まれた暮らしに憧れます。

千原ジュニア『14歳』

お笑い芸人千原兄弟の千原ジュニアが自身の14歳のころを描いた自伝的小説。閉塞的でやり場のない感情を抱えてどうしようもないと感じている人に。学校を休みがちだった中学生の男の子、この本を読んで「自分もがんばってみようと思った」という感想をくれた人もいました。

瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』

中学生の駅伝を舞台に繰り広げられるスポーツ青春小説。学校の代表として駅伝に出場することになった6人のメンバーたち。それぞれが悩みを抱えながら、その壁を乗り越えようとするように走り、襷をつないていきます。みんなの抱えるモヤモヤに共感しながら、一緒に走り抜ける爽快感が味わえます。

中田永一『くちびるに歌を』

長崎県五島列島の中学校の合唱部。まじめに合唱に取り組む女子部員たちと、産休代理で赴任してきた美人音楽教師の柏木先生、そして柏木先生を目当てに入部してきた男子部員たち。Nコン(NHK全国学校音楽コンクール)の課題曲「手紙~拝啓十五の君へ~」の曲に自分たちの思いを乗せて、物語が紡がれます。「いま目の前に立ちはだかる不安」と「未来へ託したい希望」のあいだで揺れ動きながら、一歩ずつ進んでいく中学生たちの等身大の青春物語。

乾ルカ『願いながら、祈りながら』

小さな分校に通う5人の中学生と、ここにやってきたやる気のない新任教師。生まれる場所はじぶんでは選べない、そんな当たり前のことを、どう受け止めて前に進んでいくか、そんなことを考えさせられます。乾ルカさんの小説は、国語入試問題にもよく出典されています。

辻村深月『かがみの孤城』

鏡の中の城に招待された7人の中学生たち。この城のどこかに願いが叶う”願いの鍵”があるというが…。学校に行けない7人の中学生が織りなすミステリーファンタジー。2018年本屋大賞受賞作です。

石田衣良『4TEEN』

月島にくらす4人の中学2年生、ダイ、ジュン、ナオト、そしてテツロー。ごくふつうの14歳たちのきらめくかけがえのない「いま」を描く直木賞受賞作。
友情、恋愛、性、死…彼らの目の前にある現実は決してゆるくはない。その現実に向き合う彼らの純粋さに、「いま」しかないかけがえのない時間が持つ意味の深さを突きつけられます。

桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』

その朝、中学二年生の山田なぎさは山中でひとつの遺体を見つけます。それは、転校生のクラスメイト・海野藻屑でした。社会で戦うためにはお金という”実弾”が必要だとなぎさはいう。子どもでしかいられない彼女たちの、絶望的な毎日に救いはあるのか。直木賞作家でもある桜庭一樹が初期に描いた悲痛な青春小説。

おもしろい物語を楽しむ

ミステリーやファンタジー、ディストピアなど、物語として楽しめる本です。

乙一『暗いところで待ち合わせ』

殺人容疑をかけられたアキヒロが転がり込んだのは、目の見えないミチルのアパートだった。アキヒロはミチルに気づかれないように、こっそりと共同生活を送るのだが…。見えないミチルと息を潜めるように暮らすアキヒロ、ふたりの語りにドキドキするミステリー。乙一さんのおすすめと言われたらこれ!

桐野夏生『優しいおとな』

桐野夏生さんが福祉システムが破綻した近未来の日本を舞台に描くディストピア小説。生まれた時から親や家族を知らないイオンは、スラム街と化した<シブヤ>で暮らしている。ここで必要なのは、ひとりでも生きぬくための知恵と力。太刀打ちできない厳しい現実、手を差し伸べてくれるおとなの存在に支えられながら、イオンは自分が本当に必要としている居場所や愛着を求めてアンダーグラウンドへと足を踏み入れていく。

和田秀樹『受験のシンデレラ』

東大合格率9割を誇る学習塾のカリスマ経営者・五十嵐。余命宣告を受けた五十嵐が、ひょんなことから出会った女の子・遠藤真紀の東大合格を目指すのだが…。受験ノウハウ本を多数出版している精神科医・和田秀樹さんによる受験小説。勉強にやる気がでない人や「ドラゴン桜」が好きな人におすすめ。

住野よる『君の膵臓をたべたい』

病院で偶然ひろった手帳は、余命宣告を受けたクラスメイトの日記だった。秘密を共有することになった僕と彼女のまぶしくはかない日々。ベストセラーとなり、アニメ・実写映画化もされた話題作。どきっとするようなタイトルとはうらはらに、とても優しい物語です。ラストでタイトルの意味がぐっと胸に迫ります。住野よるさんは中学生・高校生に人気の作家さん。どの作品もおすすめですが、まだ読んだことのない人には、こちらのデビュー作からおすすめします。住野さんの淡々としながら柔らかい文章にぜひ触れてみてください。

青柳碧人『浜村渚の計算ノート』

日本の数学教育の衰退に歯止めをかけるために、天才数学者・高木源一郎が日本国民全員を人質とするテロを起こした。解決の鍵を握るのは「数学の知識」。テロを阻止するために警視庁が探し出した「救世主」は、かわいらしい女子中学生の浜村渚。フィボナッチ数列に円周率…数学が得意な人も、よくわからないという人も楽しめる新しい数学ミステリー。朝読書にも人気のシリーズです。

有川浩『阪急電車』

恋の始まり、別れ、そして途中下車……関西のローカル線・阪急電車を舞台に繰り広げられる、片道わずか15分に繰り広げられる小さな人間ドラマ。最後まで読んでみないとわからない物語のおもしろさは、そのまま人生の不思議さに通じます。いつだって、まだ道の途中。『図書館戦争』シリーズでも人気の有川浩さんの小説をまだ読んだことがないという人には、この本おすすめです。

上橋菜穂子『精霊の守り人』

あまりファンタジーは読まないという人にも、上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズはぜひおすすめです。現実世界と密接に関わり合うもうひとつの精霊の世界。その世界観は、むかしから自然と共存してきた私たちの生活にとても近い懐かしさを感じます。

池井戸潤『陸王』

『下町ロケット』や『半沢直樹』シリーズなど人気ドラマの原作者でもある池井戸潤さん。おすすめ作品はたくさんありますが、わたしが中学生におすすめするのはこの本『陸王』です。

老舗の足袋メーカー「こはぜ屋」、経営の危機に瀕し、新規事業を思いつきます。それがランニングシューズ作り!新しい素材さがし、銀行からの資金融資の難航、そして大手スポーツメーカーとの闘い。簡単にいかないからこそ夢中になる、だからこそいいものが出来上がる。ハラハラさせて、スカッとする、夢にあふれるものづくり小説です。

喜多川泰「また必ず会おう」と誰もが言った。

どこか遠くへ旅に出てみたいけれど勇気がない、そんな人におすすめしたい本です。自分のついた嘘が原因で、ひょんなことから熊本から東京まで旅にでた男子高校生・和也。すぐに帰れるはずが、最終便に乗り遅れて帰れなくなってしまいます。さまざまな人に会い、助けられながら、和也はそれまで見えていなかった自分と向き合い、世界を広げていきます。この本を読んだら、ひとり旅に行ってみたくなりますよ。

伊坂幸太郎『死神の精度』

この物語の主人公は「死神」。本人に気づかれないように「死」に近い人に近づき、「死」の実行に適しているかどうかを調査するのが死神の仕事。

「死神」という冷淡でユーモラスな視点から描かれるわたしたち人間の人生。その一生懸命さは、どこか滑稽ではかなく切ないものがあります。ひとりの人生がだれかの人生に多少なりとも影響を与え合うようにつながっていく物語の魅力もあります。

川村元気『億男』

もしも突然、3億円が手に入ったらあなたはどうしますか?この本の主人公・一男は、偶然手に入れた宝くじで3億円が当選!しかしこんな大金、どうしたらいいのだろう?一男は大学時代の親友で億万長者となった九十九(くつも)に相談するのですが、九十九は3億円の大金と共に姿を消し…。人生にとって大事な「お金のこと」、学校では教えてくれません。お金の正体とはなにか。お金に振り回されないために、自分なりの答えをこの本で見つけてみてください。

文学を味わう

中学生にも読んでほしい現代小説からおすすめの文学作品を紹介します。

小川洋子『博士の愛した数式』

第1回本屋大賞受賞作品。事故が原因で、80分しか記憶がもたない数学者と彼のもとにやってきた家政婦とその息子・ルートとの物語。同じ繰り返しだった代わりばえのない博士の毎日に、少しずつ新しい発見や驚きが加わり、かけがえのない日々へと変わります。その小さな喜びのある毎日こそが、生きる喜びなのかもしれません。静かな流れの中で過ぎゆく毎日の愛おしさを感じる物語です。

今村夏子『こちらあみ子』

さらりとした文体で、どこかずれている感覚を味あわせてくれる作家・今村夏子さん。おすすめはデビュー作の『こちらあみ子』。まわりを振り回しているあみ子が一番何事にも動じていない。それを書ききるこのすごさ。

川上未映子『ヘヴン』

<わたしたちは仲間です>それが、教室の中でいじめられている僕とコジマをつなぐ最初の手紙だった…。混ざり合うことのない価値観の飛び交うこの世界を、私たちはどう見つめ生きていくのか、心を揺さぶられる物語です。

井上ひさし『四十一番の少年』

放送作家だった井上ひさしさんは、幼いころに孤児院で暮らしたことがあります。自身の経験から孤児院を舞台にした小説も手掛けて、中には国語の教科書に採用されている作品もあります。どうにもできない大人の事情で、やむなくも置かれた環境を受け入れて生きていくことの辛さや切なさ、一方で子どもたちの強さも感じる作品です。表題作のほか「汚点」も心に強く残る作品です。

宮本輝『泥の河・蛍川』

第78回(1977年下半期)芥川賞受賞作。戦後の昭和30年代を舞台に少年たちの目線で描かれた「いのち」のきらめきとたくましさを描いた作品です。ぜひ中学生のうちに読んでみませんか。

海外文学

海外の小説からおすすめの本を紹介します。

オー・ヘンリー『最後のひと葉』

星新一のショートショートが好きな人に読んで欲しいのが、短篇の名手と言われるオー・ヘンリーのショートショート。「最後のひと葉」「賢者の贈り物」などの有名作のほか「金の神と恋の使者」「警官と讃美歌」など、感動とユーモアと驚きを与えてくれることまちがいなし。

ポール・フライシュマン『種をまく人』

種をまく人
あすなろ書房

多くの移民がくらすアメリカ・オハイオ州、貧しい地域の一角にゴミ捨て場のような空き地がありました。そこに、ベトナムの少女・キムがマメの種をうえるところから物語ははじまります。水やりにこれなかった日、だれかがキムの種に水を撒いてくれていました。 キムの起こした小さな行動が、だれかの心を動かし、ゴミ溜めのような空き地を少しづつ変えていきます。語り手を変えながら物語がすすみます。あまり本を読まない人や朝読書にもおすすめです。

ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』

知能の低いチャーリイは大学の実験台となり知能を向上させる手術を受けます。手術によって天才となったチャーリイですが、彼の心にも大きな変化が生まれ、やがて孤独を強めていきます。彼の心の支えとなったのは同じ実験を受けた白ネズミのアルジャーノンでした。豊かにくらす上で必要なものはなにか、さまざまなことを考えさせられる不朽の名作です。

『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ』

スターは、黒人の町に暮らす女子高生。ある晩、幼なじみのカリルが白人警官によって射殺されてしまうのだが…。アメリカに今も残る人種差別をごく普通の女の子の目線で描きます。映画化もされた注目のYA作品。

戦争・平和について考える

戦争や平和について考えるきっかけになる本をいくつか紹介します。年に1冊は、戦争について枯れた本を読んでみませんか。

ほかにも10代に読んで欲しい戦争の本を紹介しています。

朽木祥『八月の光・あとかた』

被爆二世である著者が描く、ヒロシマ原爆投下のあとを生き抜いた人たちの魂に寄り添う物語です。一瞬にして大勢の命が奪われる戦争、そのあとに残された人たちが抱え続けていく罪の意識。なぜ、何も悪いことをしていない人たちが、長い間苦しまなければならないのか。戦争が奪うもの、奪われた人たちの心の苦しみを静かに語りかけます。

三十万の死があれば三十万の物語があり、残された人々にはそれ以上の物語がある。(あとがきより)

水野宗徳『さよなら、アルマ』

さよなら、アルマ (Sanctuary books)
サンクチュアリパプリッシング

戦時中、軍用犬として戦地へ送りだされたアルマと犬を愛しアルマを育てた青年・朝比奈太一との心揺さぶられる物語です。第二次世界大戦中、多くの犬も人間と同じように軍用犬として戦場に駆り出されました。この小説は、そんな1匹の軍用犬が出征前に撮影された1枚の写真をヒントに生まれた小説です。動物が好きな人はもちろんですが、たくさんの人に読んでほしい物語です。

野坂昭如『アメリカひじき/火垂るの墓』

ジブリアニメで知られている『火垂るの墓』の原作となった野坂昭如さんの直木賞受賞作。『火垂るの墓』は、栄養失調により妹を亡くした原体験から生まれた物語です。戦争孤児の兄妹の悲しい運命を繰り返さないようにとの願いを込めて、原作もぜひ手に取ってみてください。

藤岡陽子『晴れたらいいね』

都内の総合病院で看護師をしている高橋紗穂は、勤務中に大きな地震で気を失います。気が付くと、そこは1944年、戦時中のマニラでした。紗穂はそこで従軍看護婦の”雪野”と間違われます。敗戦必死の戦争に抗いながらも、苛酷な状況の中で看護師として命を救うことと向き合う。心を揺さぶられる、感動の物語。

ジョン・ボイン『縞模様のパジャマの少年』

父の新しい仕事場に一緒にやってきた家族。そこは「死の工場」と言われたアウシュビッツ収容所でした。ぐるりと取り囲む高く長いフェンスの向こうで何が行われているのか何も知らない少年は、フェンスの向こう側にすむ縞模様のパジャマを着た少年と親しくなります。フェンスをはさんでふたりの少年の間に芽生えた友情は、やがて悲しい結末を迎えます。カーネギー賞候補作。

アンネ・フランク『アンネの日記』

アンネ・フランクは1926年ドイツ生まれ。第二次世界大戦下、ドイツ系ユダヤ人であるフランク家はナチスの迫害を逃れてオランダのアムステルダムの屋根裏部屋で隠れ家生活を送ります。やがてこの隠れ家は見つかり、一家は収容所で悲しい結末を迎えました。作家になることを夢見ていたアンネが隠れ家生活の中で記した日記は、戦争が奪ったものをストレートに伝えます。

ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ『竹林はるか遠くー日本人少女ヨーコの戦争体験記』

1945年7月、第二次世界大戦終戦の直前、「ソ連軍やってくる」と叩き起こされ貨物列車に飛び乗った。当時11歳だったヨーコが母と姉と三人で、満州から日本へと戻る苛酷な引揚げ体験をつづったノンフィクションです。アメリカで出版されたこの本は、現地で中学生の副読本として採用されています。日本の中学生にも読んで欲しい!終戦は決して戦争の終わりではなく、深い悲しみはどれほどの時間が経過しても癒えることはない、ということを改めて感じます。

ノンフィクション

伝記や社会について知るノンフィクションです。

マーギー・プロイス『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』

ジョン万次郎は日本人ですが、この本はアメリカで出版されたもの。はじめてアメリカへ渡った日本人であるジョン万次郎は、海外でも自伝が出版されるほど有名人なんですね。10代でたったひとりで海を越え、だれも見たことのない世界を見てきた彼の軌跡をつづります。

『わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』

パキスタン・スワート渓谷にくらす16歳の少女・マララ。学校帰りのスクールバスの中で、イスラム武装勢力に銃撃されたマララですが、奇跡的に命を取り留めます。彼女がなぜテロリストに命を狙われるたのでしょうか?彼女を強く支えるのはどんな思いなのでしょうか。
2014年には史上最年少の17歳でノーベル平和賞を受賞。自分たちと同じ10代が世界でどのような現状に置かれているのか知るいいきっかけになります。

『南方熊楠―森羅万象を見つめた少年』

とびぬけた記憶力と探求心で、博物学、生物学、植物学、生態学、民俗学と幅広い研究に取り組んだ明治の研究家。独学で数か国語を学び「ネイチャー」誌に50本以上の論文が掲載されるなどその天才ぶりがうなるものがありますかがえる一方、天皇陛下への粘菌標本をキャラメル箱に入れて献上するなどちょっと変わった面も南方熊楠の魅力のようです。テレビ番組の企画で「現役東大生が尊敬する偉人1位」に選ばれるのも分かる気がしますね( *´艸`)

『顔ニモマケズ ―どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語』

外見が美しければもっと自分は幸せになれるのに…そんな風に考えている人に読んでほしいノンフィクションです。実は日本は世界3位の整形大国だって知ってました?外見に自身のない中学生・高校生は少なくありません。たしかに、見た目は大事です。でも、それがすべてではありません。この本に登場する人たちは、先天性の病気などで顔に症状をもつ人たち。彼らは社会のなかで果たす「外見」の役割をどのように感じているのでしょうか。また、外見を重視するこの社会とどう向き合ってきたのでしょうか。「見た目」について考えるきっかけになります。

エッセイ・新書

エッセイは、随筆などとも呼ばれ、自由に自分の気持ちや思いをつづったものです。いろんな人の考え方に触れることで、視野が広がります。物語は苦手という人にも、おすすめです。

池上彰『伝える力』

わかりやすく現代ニュースを伝えてくれる池上彰さん。どうすれば、相手にしっかりと伝得ることできるのか。コミュニケーションにもつながる「伝える力」が身につきます。中学生くらいに読みやすい内容です。

『なんのために「学ぶ」のか』:〈中学生からの大学講義〉

日本を代表する学者や思想家たちが語る、これからの時代を担う若い人たちに向けたメッセージ。シリーズでおすすめです。中学生にも読みやすく、また深く考えさせれれる文章ばかりです。評論文・説明文の勉強にも役立ちます。

レモンをお金にかえる法

もしもレモンが1箱あったら、あなたはどうする。そのまんま食べるって人はいないかもしれないけど、レモンがあればビジネスができる。ルイズ・アームストロング流の経済学。

長田弘『なつかしい時間』

詩人・長田弘さんがNHKの番組『視点・論点』で17年間にわたり語られたものを、文章にして1冊にまとめたのが『なつかしい時間』です。時間、ことば、自然・・・めまぐるしい変化と情報のあふれるこの時代をわたしたちはなにを頼りにどう生きるのか、長田さんがこれからの人たちに伝えたかったことが、優しく語りかけるようにつづられています。長田さんのエッセイは、国語入試問題にもよく出典されています。

星野道夫『アラスカ永遠なる生命(いのち) 』

アラスカの自然、その厳しさと美しさを伝える写真家星野道夫さんのおすすめの1冊です。まっすぐな言葉でつづられたエッセイとぬくもりを感じる写真の数々に心癒されます。

又吉直樹『第二図書係補佐』

デビュー小説『火花』で第153回芥川賞を受賞した又吉直樹さん。当然一番のおすすめは『火花』だと思う人もいるでしょうが、私のおすすめはこちらのエッセイ。芸能界の読書通として知られる又吉さんのおすすめ本と又吉さんのおかしくも切ないエピソードがぎっしりつまった1冊です。読みたい本も見つかるかもしれない、一粒で二度おいしいエッセイ集です。

水野敬也『人生はワンチャンス!』

かわいい動物の写真と、偉人たちの言葉でつづるメッセージブックです。疲れてちょっと立ち止まりたい時、ぺらぺらとめくって癒されてちょっと元気が出る、そんな本です。方の力を抜いてページをめくってみてください。贈り物にもおすすめですよ。

朝井リョウ『時をかけるゆとり』

大学生の時に『桐島、部活やめるってよ』でデビュー。『何者』で直木賞を最年少受賞した作家・朝井リョウさんの学生生活を綴った笑えるエッセイ。単行本『学生時代にやらなくてもいい20のこと』を改題したもの。ゆるくて楽しい日々に万歳(∩´∀`)∩

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