学校のことや友だちのこと、家族のことをテーマにした小説で、読む人の心をとらえる重松清さん。心をあたたかくしてくれるような物語から、胸を締め付けるような苦しみを訴える物語まで、「生きること」をまっすぐに見つめて丁寧に描かれた重松さんの小説は読むほどに読者を惹きこみます。
ドラマや映画化されている作品も多く、おすすめ作品ばかりなので「どの本から読もうかな?」と迷いますよね。その中から厳選して、10代に読んで欲しい重松清さんのおすすめ本7冊を紹介します。
著者プロフィール
重松清
1963年岡山県生まれ。
出版社勤務を経て、1991年『ビフォア・ラン』でデビュー。学校を舞台に10代の心情を描いた小説も多く、多くの作品が映画化やドラマ化されベストセラーを生み出している。国語入試問題によく出典される作家としても、10代にお薦めしたい作家。
【主な受賞歴】
『ナイフ』坪田丈二郎文学賞受賞
『エイジ』山本周五郎賞受賞
『ビタミンF』直木賞
『十字架』吉川英治文学賞
中学生・高校生におすすめ
『きみの友だち』
重松清さんの作品はおすすめばかりなのですが、10代に1冊だけおすすめを選ぶとしたらこの本です。友だちってなんだろう?と悩んだことのある人はいませんか?朝読書でも人気ランキング入り、国語教科書でも紹介されています。
『十字架』
重松 清 講談社 2012-12-14
<親友になってくれてありがとう>と、ぼくの名前を書きのこしてあいつは自殺した。でもぼくは、フジジュンのことを親友だと思ったことはなかった。命の重さについて考えさせられます。重松清さんがいじめを描く長編小説。いじめによって幸せになる人はだれもいません。被害者にも加害者にも、そこには苦しみしか残りません。
『きよしこ』
重松 清 新潮社 2005-06-26
きよしは吃音があって、伝えたいことがうまく伝わらない。なんでも話せる友だちがほしかった。いつもひとっりぼっちだったきよしの成長を追う物語。重松清さん自身の少年時代を重ねた自伝的小説とも言われています。
『エイジ 』
東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンに暮らす中学2年生のエイジ。その夏、町で通り魔事件が起こるのだが・・・。エイジが抱える発散しきれない鬱屈した思いや自分への不安は、共感できる中学生も多いのではないでしょうか。
『青い鳥』
先生はことばがつっかえてうまくしゃべれない。だからこそ、大切なことしか言わない。吃音でうまく話せない先生と8人の中学生(ひとりは元生徒ですが)の物語。ひとりぼっちのだれかにそっと寄り添うような胸が熱くなる物語です。
『とんび』
重松 清 角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-10-25
昭和37年、“ヤス”に息子が生まれた。妻と息子・アキラとのつつましくもささやかな幸せがいつまでも続くかのように思えたが・・・。不器用な父とまっすぐな息子の物語。この本を読んだお父さんたちは、もれなくお子さんにすすめたくなるようです。
わたしのおすすめというよりは、「全国のお父さんたちのおすすめ」の1冊かな。まちがいなく泣ける本なので、おうちでこっそり読んでください(*´ω`)
『希望の地図 3・11から始まる物語 』
幻冬舎 2015-02-10
フリーライターの田村彰が引きこもりの中学生を連れて、東日本大震災からの復興に取り組む東北を取材します。一度は絶望に打ちひしがれた人々が、これからの未来を描き懸命に復興に取り組む姿が描かれます。
小学校高学年からおすすめ
小学校高学年から読める重松清さんの作品です。
きみの町で
自分について、人生について、世界について、疑問に向き合う子どもたちの「なぜ」を考える「こども哲学」シリーズから生まれた物語。小さな物語を読み終えた後、自分なら、と考えるきっかけになることでしょう。
『ポニーテール』
重松 清 新潮社 2011-07-01
4年生のフミと6年生のマキは、お父さんとお母さんが再婚して新しい家族になりました。できたてほやほやの姉妹のふたりがぶつかり合ったり近づいたりしながら、家族になっていくあったかい物語です。
『小学五年生』
重松 清 文藝春秋 2007-03-01
小学5年生の男の子が主人公の17編の短編小説。子どもと大人のさかい目に立つ少年の季節を描きます。大人が読むと、あのころを懐かしみじんわりとするような作品ですが、もちろん同年代の小学生たちにもおすすめ。
『星のかけら』
重松 清 新潮社 2013-06-26
「星のかけら」を持っていれば、嫌なことやキツいことにも耐えられるお守りらしい。いじめにあっているユウキは、「星のかけら」を手に入れようと出かけた夜、不思議な女の子フミちゃんに出会う・・・。
『くちぶえ番長 』
重松 清 新潮社 2007-06-28
小学四年生のツヨシのクラスにやってきた転校生の女の子・マコト。強くて優しくて頼れるマコトのいた1年を描きます。
おすすめ短編集
卒業ホームラン―自選短編集・男子編
重松 清 新潮社 2011-08-28
おすすめ7選に入れようかと迷った作品です。重松清さん本人が選んだおすすめの短編集です。『卒業ホームラン』は男子編。女子編の『まゆみのマーチ』もあります。
『季節風』シリーズ
重松 清 文藝春秋 2010-12-03
まだ重松清さんの小説を読んだことのない人におすすめを訊かれたら、まずおすすめするのはこちら。「春」「夏」「秋」「冬」と四季にそった物語を集めた短編集のシリーズです。家族をテーマに描かれたものが多く、心にじんわりと響きます。重松清さんの短編には、短いストーリーの中に登場人物たちの思いと重松さんの伝えたいことがぎゅっとつまっています。すぐに読めるのに、いつまでも心に残る作品が多いのです。
きっとあなたの心にも残る物語がみつかるはずです(*´ω`) 短い時間で読めるので、朝読書や通勤・通学にもおすすめと言いたいところですが、きっと泣いちゃうのでおうちでこっそり読むことをおすすめします。国語入試問題にもよく出る作家さんです。
おじさんにおすすめ
重松清さんの作品は、おじさんの心をきゅっと掴む作品が多いんですよね。差別とか偏見と言われると困っちゃいますけど。哀愁が漂い過ぎているおじさんにおすすめの作品まとめです。



重松清主な作品一覧
重松清さん作品一覧より、10代におすすめの本のリストです。
また、特におすすめしたい学年を記していますので、本選びの参考にどうぞ。
【1998~1990年】 | おすすめ |
ビフォア・ラン | |
私が嫌いな私 | |
四十回のまばたき | |
バック・ビート | |
見張り塔からずっと | |
舞姫通信 | |
幼な子われらに生まれ | おじさん |
ナイフ | 中学~ |
定年ゴジラ | おじさん |
エイジ | 中 |
日曜日の夕刊 | |
半パン・デイズ | |
【2000~2004年】 | |
カカシの夏休み | |
ビタミンF | |
さつき断景 | |
リビング | |
隣人 | |
口笛吹いて | |
かっぽん屋 | |
流星ワゴン | おじさん |
熱球 | |
小さき者へ | |
きよしこ | 中学~ |
トワイライト | |
哀愁的東京 | |
ニッポンの単身赴任 | |
送り火 | |
ニッポンの課長 | 小・中 |
卒業 | 中学~ |
いとしのヒナゴン | |
【2005~2010年】 | |
その日のまえに | 中学~ |
きみの友だち | 中学~ |
娘に語るお父さんの歴史 | おじさん |
小学五年生 | 小・中 |
カシオペアの丘で | |
くちぶえ番長 | 小~ |
青い鳥 | 中学~ |
永遠を旅する者 | |
ブランケット・キャッツ | |
ツバメ記念日 季節風・春 | 中学~ |
僕たちのミシシッピ・リバー 季節風・夏 | 中学~ |
少しだけ欠けた月 季節風・秋 | 中学~ |
サンタ・エクスプレス 季節風・冬 | 中学~ |
気をつけ、礼。 (せんせい。) | 中学~ |
みぞれ | |
とんび | 中学~ |
希望ヶ丘の人びと | おじさん |
ステップ | |
かあちゃん | 中学~ |
あの歌がきこえる | |
青春夜明け前 | |
再会(ロング・ロング・アゴー) | おじさん |
十字架 | 中学~ |
【2010~2014年】 | |
さすらい猫ノアの伝説シリーズ | 小 |
きみ去りしのち | |
あすなろ三三七拍子 | |
おじいちゃんの大切な一日 | 小・中 |
ポニーテール | 小~ |
峠うどん物語 | |
希望の地図 3.11から始まる物語 | 中・高 |
空より高く | |
また次の春へ | 中学~ |
きみの町で | 小・中 |
星のかけら | 小・中 |
ファミレス | |
みんなのうた | |
ゼツメツ少年 | 中学~ |
赤ヘル1975 | おじさん |
一人っ子同盟 | |
【2015年~】 | |
なきむし姫 | |
たんぽぽ団地 | |
どんまい |
新刊・話題作
重松清さんの新刊・話題作を紹介します。
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