2019年国公立高校国語入試問題【小説】まとめ

2019年国公立高校国語入試問題小説まとめ

2019(平成31)年の全国の国公立高校入試の国語問題に出典された小説をまとめています。受験生のみなさんの読書の参考にどうぞ。空欄や県名抜けているところは、小説問題の出典がないかデータがなかったところです。 ※個人的に趣味の範囲で情報収集したものですので、参考までに。

【公立高校】北海道・東北地方

北海道

【内容紹介】 ぼくは幼い時から言葉の英才教育を受けてきたが、見事に落ちこぼれた。一方、妹は詩の新人賞を受賞し一躍脚光を浴びる。二十五歳で家を出て会社も辞めると、ひょんな事から、男女四人のカメラ愛好家で作る“チーム300”に入ることになった。そして言葉の世界とは違う写真の魅力に魅せられ、これまでの選択の許されない人生から自分の道を歩き始めるが…。書き下ろし青春現像小説。

青森県

【内容紹介】おじさんの別荘に行くことになった。でも、そこは想像していたのとは、ぜんぜん違った。5時間もきつい山登りの末にたどりついたのは、電気も通ってない山小屋だったのだ。ぼくの優雅な夏休みは、どうなることやら?

岩手県

心理学者であり子どもと本の研究でも知られる河合隼雄さんの幼いころを綴ったノンフィクションエッセイ。ほんわかとしたハァちゃんと見守る家族のあたたかさにほっとします。

【内容紹介】 ほんまに悲しいときは、男の子も、泣いてええんよ―。城山家の、男ばかり六人兄弟の五番目のハァちゃん。感受性が豊かなあまり、幼稚園の先生が辞めると聞いては泣き、童謡に出てくるどんぐりの行方を案じては泣いてしまう。家族に見守られ、友人たちと野山を駆け巡って、力強く成長してゆく過程を瑞々しく描く。心理学者・河合隼雄の遺作となった、せつなく温かな自伝的小説。

宮城県

これまでにもなんどか入試問題に出典されている小説です。女の子にはぜひ読んでほしい1冊。

【内容紹介】江戸から明治に時代が移ってすぐのこと。松代藩の中級武士だった横田家の娘・英は困惑していた。降って湧いた縁談を前に、身分違いの幼なじみへの淡い想いが、胸にある。一方、区長を務める英の父もまた、困惑していた。富岡にできる最新の製糸場のため、工女を集めねばならないのだ。その話を聞いた英は、縁談を先延ばしにするために、つい言ってしまう。「わたし、富岡製糸場に参ろうと思います」そして英の言葉をきっかけに、少女たちが集まって…。初めての長旅、共同生活、そして仕事。あの時代、あの場所で生きた少女たちの、瑞々しい青春記録。人気脚本家、小説初挑戦作。

秋田県

国語入試問題によく出る作品です。北海道にある小さな分校に通う5人の中学生たちの物語。

山形県

【内容紹介】 君の居場所は君だけが知っている。過干渉の母を新潟に残し父とともに佐渡へ転校してきた史織。「風のシネマ」をオープンした祖母やクラスメイトと出会う中で大切なものに気づいていく葛藤と成長の物語。

福島県

【内容紹介】 熊のような巨体の阿久津善太は、授業で、もう一人の剣道経験者、蓮見宝と模範試合をすることになるが、小柄でおどおどしている宝に、あざやかに「抜き胴」を決められてしまった。クラスの中では「根性なしとビビり」と、からかわれている善太と宝は、剣を交えるうちに互いをかけがえのないライバルとして意識するようになっていく。

【公立高校】関東地方

茨城県

「千弦ちゃんのピアノはすごいけど、いっしょにうたったり踊ったりできない」響音は、姉の心をゆさぶるため、ふるさと文化祭に出場することになったのですが…。感性を信じて生きる姉妹が奏でる音楽小説。 第59回日本児童文学者協会新人賞受賞!

栃木県

竹西寛子「虚無僧」

群馬県

【内容紹介】 藩政の刷新を願い脱藩した天羽藩上士の子・伊吹藤士郎は、人が行き交い、物が溢れる江戸の大地を踏み締める―。人生に漕ぎ出した武士の子は、貧し、迷い、慟哭しながら、自由に生きる素晴らしさを知る。著者渾身、鮮烈な青春時代小説!

埼玉県

千葉県

【内容紹介】江戸駒込の菓子舗照月堂で女中として働きながら、菓子職人を目指す少女・瀬尾なつめ。自分よりも後に店に入ったお調子者の安吉が、主・久兵衛のもと職人見習いを始めたことに焦りを感じつつ、菓子への想いは日々深まるばかりだ。そんな折、照月堂に立て続けで珍しい客が現れる。なつめを訪ねてきた江戸市中でも高名な歌人。そして、上野にある大きな菓子店氷川屋の主とその娘である。それぞれの客により、店には驚きと難題がもたらされて―大好評シリーズ、第二巻。

東京都

私小説の大家である作家の最後の連作短編集。自らに流れる血を肯定できず、苦しんだ物書きの主人公が築いた家庭の日常を描く連作『素顔』の続編。

【内容紹介】建設会社に勤める圭介は、広大な休耕地をもつ祖父の雄蔵に土地の有効利用を持ちかけていた。しかし、脳卒中から快復した雄蔵は圭介の提案を断ると、自分の命を救ってくれた少年について語り、荒れ果てた土地をひとり耕し始める。芝生の広場をつくる、という老人の夢に巻き込まれていく圭介は、両親と祖父母の確執の真実を知り、迷いのあった人生の舵を切る。愛しい人のために今を変えようと奔走する、家族の絆の物語。

突然部長に指名された一年生男子。嫉妬、大学受験、ブラック部活問題を乗り越え、全日本へ行けるのか!?吹奏楽感動長編。

小池昌代「幼年 水の町」
水の町・深川に育った著者はじめての幼年記。湧きあがる追憶のエッセイと掌編幻想小説。

いしいしんじ 「めだか」

神奈川県

誰も知らない、ゴッホの真実。天才画家フィンセント・ファン・ゴッホと、商才溢れる日本人画商・林忠正。 二人の出会いが、〈世界を変える一枚〉を生んだ。
1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいる画商の弟・テオの家に転がり込んでいた。兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオ。そんな二人の前に忠正が現れ、大きく運命が動き出すーー。『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の著者による アート小説の最高傑作、誕生!

【公立高校】中部地方

富山県

将来、NASAのエンジニアになりたい小学六年生の佐倉ハルくんは、風船宇宙撮影を目指しています。できる限り大人の力を借りず、自分だけの力で。そんなことくらいできないようでは、NASAのエンジニアになんて到底なれないから、と。意地っ張りな性格もあってクラスでは孤立、家に帰っても両親とぎくしゃくし、それでもひたすらひとりで壮大な目標と向き合い続けるハルくんの前にある日、金髪の転校生の女の子が現れて…。ハルくんの、夢と努力の物語。奮闘するこの少年を、きっと応援したくなるはずです―読み終えたあとは、もっと。

石川県

わたしたちは、知らないうちに誰かを救っている――。川沿いを散歩する、卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……。わたしたちが起こしたなにげない出来事が繋がっていき、最後はひとりの命を救う。小さな喫茶店「マーブル・カフェ」の一杯のココアから始まる12編の連作短編集。読み終わった後、あなたの心も救われるやさしい物語です。

福井県

文久3年(1863)。北陸の要・越前福井藩の家中は異様な緊迫感に包まれていた。京の尊攘派激徒を鎮めるべく、兵を挙げて上洛すべきか否か。重大な決断を迫られた前藩主・松平春嶽が思案をしている折、幕府の軍艦奉行並・勝海舟の使いが来ているとの報せがあった。使いは浪人体のむさくるしい男だという。名は、坂本龍馬。彼の依頼を即決した上で、上洛についての意見を聞いた春嶽は―。旧幕府にあって政権を担当し、新政府にあっても中枢の要職に就いた唯一の男、松平春嶽。日本を守るため、激動の時代を駆け抜けた春嶽の生涯を描いた歴史長編!

長野県

北の町でひっそりと営業しているオルゴール店では、風変わりな主人が、“お客様の心に流れる曲”を小さな箱に仕立ててくれます。耳の聞こえない少年。音楽の夢をあきらめたバンド少女。不仲だった父の法事で帰郷した男性。長年連れ添った妻が倒れ、途方に暮れる老人。彼らの心には、どんな音楽が流れているのでしょうか―。

岐阜県

静岡県

大きらいな幼なじみに、なぜだかときめくカンナ。教室で浮いた存在の不良にあこがれる和馬。親友の家庭事情を知った千里。音楽教師に心を寄せる哲平。母の愛人に恋する愛。クラスメートの死を受け止める三人の男の子。さまざまな状況に、真っ直ぐ本音でぶつかっていく子供たち。大人になって失ってしまった感覚を、鋭く冷静な視点で浮かび上がらせる六編。

愛知県

著名なヴァイオリニストの娘で、声楽を志す御木元玲は、音大附属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる―。見えない未来に惑う少女たちが、歌をきっかけに心を通わせ、成長する姿を美しく紡ぎ出した傑作。

【公立】関西地方

三重県

十二歳。教室は、ときに戦場になる。痛くて切れそうで、ヒリヒリで、意味不明。でも―これがいまの、そのままの、わたしたちだ。少女たちのむきだしの日々を描く、「第四回ポプラズッコケ文学新人賞」大賞受賞作品。

兵庫県

北海道命名150年!振り向いてはいけません。前だけ向いて生きなさい。
北海道における畜産業発展に大きく貢献したエドウィン・ダンとその妻、鶴の愛の物語。
津軽の商家に生まれた鶴は、教育熱心な両親と双子の兄とともに何不自由なく暮らしていた。やがて戊辰の役が終わり、母を病で失った鶴は北海道に渡る決心をする。外国人技術者や政府の要人向けの、七重村郊外の峠下ホテルで働きはじめた鶴は、そこで開拓使御雇農業方のアメリカ人エドウィン・ダンと知り合う。互いに惹かれ合い結婚し一児をもうけるも、そんな二人に向けられる世間の目は冷たかった。時代の荒波に翻弄されながらも一途な思いを貫いた一人の女性の物語。

奈良県

読み終えた後、目の前の世界が変わる。芥川賞作家が書き続けてきた日常と想像のあれこれ。デビューから15年、初の決定版エッセイ集。

和歌山県

かつては全国大会連続金賞、その象徴的存在としてマスコミにも頻繁に取り上げられた黄金時代を持つ、名門高校吹奏楽部。子供の頃に演奏会で魅了された幼馴染の茶園基(ちゃえん・もとき)と鳴神玲於奈(なるかみ・れおな)は入部したものの、現在の吹奏楽部にかつての栄光は見る影もない。そこへ突然、黄金時代の部長だったレジェンド・不破瑛太郎(ふわ・えいたろう)がコーチとして戻ってきて、一年生の基を部長に任命した。
部に渦巻く嫉妬とプライド、大学受験のプレッシャー、才能への不安と選抜オーディションの恐怖。一年生部長を擁する名門吹奏楽部は今年、全国大会開催の地・名古屋への切符を手にする事ができるのか。

【公立】中国・四国地方

鳥取県

ツバキ文具店は、今日も大繁盛です。夫からの詫び状、憧れの文豪からの葉書、大切な人への最後の手紙…。伝えたい思い、聞きたかった言葉、承ります。『ツバキ文具店』待望の続編。

島根県

明治政府が敷いた中央集権体制に昂然と抗った男たち。“意識”に目覚め立ち上がる者がいる一方、旧弊な立場に縋る者もいた。歴史に飲み込まれていった名もなき数多の痛切な叫びを描く、時代短編集。

岡山県

疾走する馬に乗ったまま的に向かって矢を射る“流鏑馬”がさかんな青森県十和田市。そこに住む弓道部の舞衣子は、東京からやって来た同級生で、元・弓道の国体選手の美鶴に入部を勧めるも断られてしまう。実は美鶴は、四年前に桜流鏑馬で優勝した舞衣子の雄姿に憧れ、流鏑馬をやるために十和田に来ていたのだった。「一緒に流鏑馬をやろう」と言う美鶴だが、舞衣子にはあるトラウマがあって―。流鏑馬に挑む女子高生ふたりの爽やかな感動青春ストーリー!

広島県

菊地寛「餓鬼」

山口県

怪我で部活を休んでいた堂島先輩が復帰した。先輩の代役で野球部に入部したこころ。自分の居場所はもうないのか。こころは堂島先輩にキャッチャーマスクを差し出す。「対決しないか」先輩は真顔で言った――。勝つことなんてあり得ないとしても、必死で練習してきた成果を試してみたい。こころは、覚悟を決めてうなずいた。

徳島県

町の科学館のプラネタリウム。そこに併設された図書館が、ぼくたちのいつもの場所だった。 あのころ、宇宙への憧れでつながっていた僕たちは、いまは別々の道を選んで進んでいる。
現役高校生が小説すばる新人賞史上最年少受賞した話題作。

香川県

チレキ。正式には地理歴史部。「一番楽で、上下関係厳しくなくて、ついでに存在感もなくて、帰宅部よりオススメ」だったはずなのに、主人公の健吾が中三になった春、状況が一変。熱血の新顧問のもと、ジオラマ作成に乗りだすことになる。テーマは、〈百年前の渋谷〉。自分たちの住んでいる町は、どのようにして今の姿になったのか。町の過去を振りかえる作業を通して、健吾は自分の過去の傷と向きあい、成長していく。青春小説。

愛媛県

町田圭祐は中学時代、陸上部に所属し、駅伝で全国大会を目指していたが、3年生の最後の県大会、わずかの差で出場を逃してしまう。その後、陸上の強豪校、青海学院高校に入学した圭祐だったが、ある理由から陸上部に入ることを諦め、同じ中学出身の正也から誘われてなんとなく放送部に入部することに。陸上への未練を感じつつも、正也や同級生の咲楽、先輩女子たちの熱意に触れながら、その面白さに目覚めていく。目標はラジオドラマ部門で全国高校放送コンテストに参加することだったが、制作の方向性を巡って部内で対立が勃発してしまう。果たして圭祐は、新たな「夢」を見つけられるか―。

【公立】九州地方

福岡県

だいじょうぶ。こわくないよ。小さな命が、寄り添ってくれた。『食堂かたつむり』『つるかめ助産院』の小川糸が描く、懸命に生きる人々と一羽の鳥の物語。

佐賀県

相沢沙呼「その背に指を伸ばして」

長崎県

突然部長に指名された一年生男子。嫉妬、大学受験、ブラック部活問題を乗り越え、全日本へ行けるのか!?吹奏楽感動長編。

大分県

おじさんの別荘に行くことになった。でも、そこは想像していたのとは、ぜんぜん違った。5時間もきつい山登りの末にたどりついたのは、電気も通ってない山小屋だったのだ。ぼくの優雅な夏休みは、どうなることやら?

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

高校生の時、偶然出会った調律という仕事に魅せられた少年が、ピアノの調律師を目指し成長してゆく。緩やかな物語。すてきな言葉で紡がれる文章の優しい美しさに惹かれます。

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国立附属高校・高等専門学校の出典リスト

梅崎春生「突堤にて」…東京学芸大学附属高等学校

梶井基次郎「路上」…お茶の水女子大学附属高等学校

高田郁「ムシヤシナイ」…筑波大学附属高等学校

藤沢周平『一茶』…大阪教育大学附属高等学校

まはら三桃『疾風の女子マネ!』…東京都率産業技術専門学校

宮下奈都『羊と鋼の森』…東京工業大学附属科学技術高等学校

森絵都『永遠の出口』…大阪教育大学附属高等学校

まとめ

中学生にも高校生にも機会があったら手に取ってほしい物語がたくさんあります。受験勉強から離れてちょっと本でも読みたいって時に、勉強の合間に手にってみてはいかがかしら。