中村文則『遮光』~狂気に近く愛は純粋

純粋なまでの愛と狂気を描く芥川賞候補作

あらすじ

恋人は死んでしまったはずだった。しかし、男は彼女が生きていると語り続ける。

海外で頑張っている彼女。会えなくても連絡を取り合っていると。

まるでそれが本当のことであるかのように。

だが、彼女が本当にこの世に存在していない証拠を彼は手にしている。

いつも持ち歩いている黒いビニール袋の中にあるのは、死んだ彼女の体の一部…。

「死」を受け入れないことが彼にとって愛なのだとしたら。

嘘を本当のように感じるほどに彼の愛は強くなり、その愛が純粋で透明に近くなるほど、彼の中の狂気は研ぎ澄まされてゆく。

男にとって愛とはなにか。

ラストシーンで見せる男の愛と狂気の崩壊は、壮絶。

高校生からおすすめです。

おすすめポイント

野間文芸新人賞受賞作
第129回芥川賞候補作

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著者プロフィール

中村文則

1977年9月2日、愛知県東海市生まれ。

福島大学行政社会学部応用社会学科卒業。フリーターから、2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。発表する作品が次々に文学賞を受賞し、世界でも注目されている作家さん。芥川賞作家であり、読書芸人としても知られる又吉直樹さんもお気に入りの作家さんです。

小説家中村文則公式サイト

【主な受賞歴】

『銃』新潮新人賞、芥川賞候補
『遮光』野間文芸新人賞
『土の中の子供』第133回芥川賞を受賞。
『掏摸<スリ>』大江健三郎賞を受賞。
『私の消滅』第26回ドゥマゴ文学賞受賞。

 

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