江國香織『すきまのおともだちたち』

『すきまのおともだちたち』
  • 小学生から大人までおすすめ
  • 童話のようなファンタジックな小説
  • ほっこりします

迷子になってしまった時に手に取って読むべき本、江國香織さんの『すきまのおともだち』

(私もよく迷子になります)

迷子はすぐそこにある

旅先で迷子になるなんて話はよくあることで、小さな子どもだったら、いつものスーパーの中でさえ日常的に起こりうる。

だから、旅先から恋人へはがきを送るために郵便局をさがしていたはずが、とつぜん、迷子になってしまっても、それはごくありふれた出来事といいたいのだけれど、そこにいたのは小さな「おんなのこ」と「お皿」なのだから、迷い込んだ世界は日常と少しちがうみたいなのだ。

おんなのことお皿にお客様としてもてなされる迷子のわたし。

はじめは戸惑っているようにもみえたけど、なじんでくつろいで楽しんで、気づくとリフレッシュしているようすは、なんともうらやましく見えてくる。

文庫本の巻末の東直子さんの解説が、この本をぴたりと言い当てていて、すとんと落ちた。これがあったら、きっとこの先もわたしは安心でいられる、って思うような本だった。

童話のようにファンタジックでどこかなつかしい、大人にもおすすめの短いおはなし。あたたかいお茶を淹れてゆっくりお楽しみください。

こみねゆらさんのイラストもかわいらしくてすてき。

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