中学生・高校生に読んで欲しいおすすめのノンフィクションを紹介します。
ふだんあまり小説を読まないという10代にこそ、おすすめしたいのがノンフィクションです。小説は基本的に”架空の物語”であるのに対し、ノンフィクションは実際にあったできごとをまとめた”リアルな世界”をつづったもの。史実や記録をもとに調査を加えたドキュメンタリーやルポは、単なる記録ではなく、著者の考えを反映させた文学作品であると言えます。小説の中にも実際のできごとをモチーフに描かれているものもたくさんあります。
これまで自分が全く知らなかった世界の現実に打ちのめされることもあるかもしれませんが、いい意味でそうしたショックを感じて欲しいとも思います。また、そうしたショッキングな内容に触れている本をおすすめしない大人は少なくありません。それは、子どもたちにショックを与えたくないという大人の思いからなのですが、だからこそ、このサイトではそうした本も紹介したいと考えています。無理におすすめはしません。読んでみたいと感じたら、手に取ってみてください。
読書感想文が苦手という人にもノンフィクションはおすすめですよ。
新しいことを知り、感じて考える!中学生・高校生に読んで欲しいおすすめノンフィクションを紹介します。
10代のノンフィクション
10代のリアルが読める10代のためのノンフィクションです。
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
偏差値30、学年ビリの金髪ギャルが受験に挑む!塾講師・坪田先生とさやかちゃんの1年半にわたる苦闘と慶應義塾大学現役合格までの奇跡をつづった、笑いと涙の実話。自分もがんばってみたいと思える1冊です。
『青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記』
小学4年生のときに読んだ「ムーミン」の物語。その魅力に導かれてフィンランドへ旅立った16歳の少女が出会ったのは、温かい人々と、真の教育だった。
『夜回り先生』
夜の街で行き場のない子どもたちの見守りを続けている水谷修先生。寄り添うように話を聞いてくれる彼のもとに寄せられる、多くの10代の本音の声や現実の壁。彼らの声を聞いてくれる人がもっと増えたらいいのに、と思います。
『いのちの花~捨てられた犬と猫の魂を花に変えた私たちの物語~』
人間の身勝手な理由で殺処分される犬猫をなくしたい。
殺処分されゴミとして捨てられる犬や猫たちの現状を知り、あるプロジェクトを立ち上げた青森県三本柳高等学校の生徒たちのノンフィクション。
『15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ』
中学校に通えなくなったのをきっかけに、あえて進学しない道を選んだ15歳の「生きる道探し」とは?
『自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心』
『チャイルド・プア~社会を蝕む子どもの貧困~』
豊かな国と言われる日本で、こどものいま6人にひとりが貧困であるという現実。2年間の車上生活を送った中学生や18歳でホームレスになった人など、みなさんと同じ年代でこうした悩みを抱えている人たちの声がつづられています。
スポーツノンフィクション
『甲子園だけが高校野球ではない』
毎年、全国の高校球児が目指す高校野球の頂点「甲子園」。この舞台に立てるのは、地方予選を勝ち抜いたほんの一握りの選手だけなのです。甲子園の舞台に立つことはかった彼らにもまた胸を熱くする数々のドラマがあります。夢中になれるものがあるってすばらしいです。
『不可能を可能にする 大谷翔平120の思考』
170kmと二刀流という武器で日本ハムファイターズを日本一に導き、プロ4年目でメジャーリーグのトップに挑戦する大谷翔平。挑戦を続ける大谷さんのメッセージ。『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』も合わせておすすめです。
『「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー 』
ドラマ化もされて話題となりました。平成17年夏、開成高校の野球部が甲子園大会東東京予選ベスト16に!開成と言えば、東大合格者日本一と言われる超有名難関校。下手でも勝てる野球部たちの笑えるノンフィクションです。
人権について考える
すべての人が生まれながらに持っている権利、それが人権です。人権について考えてみませんか。
『ぼくは13歳 職業、兵士。―あなたが戦争のある村で生まれたら』
戦争、児童労働、ストリートチルドレン・・・平和と言えないたくさんの国でくらす子どもたちの現実がここにあります。自分にできることはなんだろう?と考えさせられます。
わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女
『イクバルと仲間たち―児童労働にたちむかった人々』
自分が何歳かもわからない小さな少年イクバル。パキスタンの過酷な児童労働に立ち向かった少年のノンフィクション。
『両手を奪われても―シエラレオネの少女マリアトゥ』
とてもショッキングな内容ですが、勇気をもって声をあげることの意味と少女の勇気に触れてほしい。
『ダイヤモンドより平和がほしい―子ども兵士・ムリアの告白』
なぜ世界から戦争がなくならないのか、そのヒントがここにあります。平和を願う子どもたちがこれ以上、戦争に利用され犠牲となることがないように、私たちができることは何でしょうか。
『ある奴隷少女に起こった出来事』
この作品は、出版当時、その衝撃的な内容に事実ではないフィクションだと思われていました。長年の研究からこの物語が、奴隷だった少女自身によるノンフィクションであるとわかったのは、発表後100年以上がたってからのことでした。それまで知れらていなかった奴隷制度の本当の苦しみを記したこの本は、言葉や文字による”記録”のもつ力を伝える1冊でもあります。おすすめは高校生から。
戦争ノンフィクション
戦争について知り平和について考えるノンフィクションを紹介します。戦争ノンフィクションは、こちらのページでも紹介しています。


『はだしのゲン わたしの遺書』
【小学校高学年から中学生におすすめ】
漫画『はだしのゲン』の作者・中沢啓治さんが「遺書」と名付けて書きのこした自伝的ノンフィクション。漫画を読んだことがある人にはもちろん、「怖くて読めない」という人にもぜひ読んで欲しい。
高木敏子『ガラスのうさぎ』
東京大空襲では一夜にして10万人以上の人が亡くなったと言われています。敏子さんは東京大空襲で母とふたりの妹を亡くし、その後、父も空襲で亡くしました。終戦のわずか10日前のことでした。戦争で親を亡くた心細さやみじめさ、その中で前向きに生きようとする12歳の少女の逞しさに心打たれます。
『竹林はるか遠く―日本人少女ヨーコの戦争体験記』
日本が終戦を迎えた時、ヨーコは11歳でした。満州で終戦を迎えたヨーコにとって、ここから日本に帰るまでが新たな闘いの日々となりました。戦争は終わったからといって、すぐに平和になるわけではありません。ひとりの日本人少女の引揚げ体験をつづったノンフィクションは、アメリカで教科書としても読まれているそうです。日本の10代にも知って欲しい記録です。
知る感じる考えるノンフィクション
あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ
「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください」
1992年ブラジルで行われた環境サミットで行われた当時12歳の少女による6分間のスピーチは世界中の大人たちの心を動かしました。スピーチ全文と英文が掲載されています。
絶対貧困―世界リアル貧困学講義
『ロボットは東大に入れるか』
著者の新井紀子さんは『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』で2019年ビジネス書大賞を受賞しています。ロボットは東大に合格することができるのか!?をテーマにAI研究に取り組んでいます。それが”東ロボくん”。AIの仕組みをわかりやすく教えてくれるとともに、AIにできること、そして私たちにしかできないこととはなにか?考えるきっかけになります。

僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう
『国境なき医師が行く』
『なんにもないけどやってみた――プラ子のアフリカボランティア日記』
ノンフィクションを読む
読書の魅力のひとつは”現実逃避”できるところですが、ノンフィクションの中で記されているのは、あなたがまだ知らないどこかにあるはずの”現実”です。出会うことのないだれかとの出会い、社会が直面している問題、これからの未来の可能性・・・これらはすべてあなたの足元から続くこの世界の現実です。ここで紹介している本の中には、あなたにとってショックな出来事もあるかもしれません。子どもから大人へと少しづつ成長を重ねる大事な時期だからこそ、その出会いは大きな意味を持つはずです。
知らないことを知ることは、自分の可能性を知る大きな一歩になります。 読書で自分の可能性を広げてみませんか。