わたしのお気に入りの童話集を紹介します。
村山籌子さんは、1903年高松市生まれ。『子供之友』の編集に携わった童謡・童話作家です。
ぱっとひとめ見てその惹きつけられるそのシュールなイラストは、夫である村山知義さんによるもの。 村山籌子作品集シリーズ は、日常の中に転がっているファンタジックを小さく切り取ったような童話の世界を味わえます。 幼稚園~小学校低学年向きに書かれた童話ですが、この昭和モダンのおしゃれさとシュールさは大人にもおすすめです。
村山籌子作品集〈1〉 リボンときつねとゴムまりと月
表紙のイラストは表題作「リボンときつねとゴムまりと月」のワンシーン。
リボンと月が食事をしているのはわかる。奥にいる裸電球のようなものは一体なんだろう?タイトルから推測するにきつねではないし、ではゴムまりか?襟付き紺ワンピースのお嬢様スタイルなのも気になる。そして、中央の電球からぶらさがる(吊られているともいえる)人形の意味するものって…?
美しいリボンさんは、おとなりに住むきつね一家にいじめられている。リボンさんはかなしくて、それはもう、しわがよって、いろもはげて、だんだんきたなくなるほどなのだ。
かわいそうに思ったゴムまり(裸電球ではない)と月がはげましの夕食会をひらき、きつねさんを招くのですが…というストーリー。つっこみどころがありすぎてこの設定気になりすぎるという方は、たぶんこの本と相性ぴったりです。ぜひ手にとってみてください。
イラストにぴったりなシュールでモダンでユニークな童話や童謡が表題作のほか15編収録されています。私のお気に入りは「ライオンの大ぞん」だいじなあごひげを落としちゃったライオンのお話です。
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