FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

『ファクトフルネス』

暮らしをより豊かにし、世界がより良い方向に進むために、いまわたしたちがやるべきことなんだろう。インターネットで最新の情報やデータが入手できる時代となったが、わたしたちは、本当に世界を正しくとらえているといえるだろうか。

突然ですが、クイズです。

問1 世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?
A 20%
B 50%
C 80%

問2 世界中の30歳男性は、平均10年間の学校教育を受けています。同じ年の女性は何年間学校教育を受けているでしょう?
A 9年
B 6年
C 3年

問3 いくらかでも電機が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?
A 20%
B 50%
C 80%

正解は、(問1)C:80% (問2)A:9年 (問3)C:80%

いかがです?正解できましたか。このクイズに正解できなかったからといって落ち込むことはありません。

著者ハンス・ロスリングは世界中の何千人もの学生・大学教授・科学者・企業の役員らに、同じようなクイズをしているが、その正解率は極めて低い。高学歴で国際問題に興味を持つエリートと言われるような人たちでさえ、最新のデータから正しい分析ができているとは言えないようだ。

世界は、決して悲観的な問題で押しつぶされようとしているわけではない。データに基づき正しく世界を見ることができれば、貧困地域が抱えている問題は少しづつ解決に向かっているという前向きな見方ができる。しかし、多くの人は正しいデータ前にしてもなお「世界は悲観的だ」というイメージから抜け出せずにいる。先程のクイズでわたしたちの多くが正解できなかったのと同じように。

著者ハンス・ロスリングは、スウェーデンの医師であり、アフリカ・アジア・ラテンアメリア地域の医療に長年携わり、スウェーデンで国境なき医師団の設立に貢献した人物でもある。こうした貧しい地域の経済と健康やくらしについての研究を行ってきた。世界中で講演を行う中で、人々が「事実」を間違って解釈する要因について考えるようになる。

私たちが「真実」だと信じているものの根拠はなんだろうか。この本を読めば、私たちがいかに「事実」とかけ離れた情報に翻弄されているかがわかるのではないだろうか。「事実」を正しく理解し、活用する力(ファクトフルネス)を身に付けることができれば、人生はもっと豊かに、世界をよい方向へと進めることができるはずだ。

もくじ

第1章 分断本能「世界は分断されている」という思い込み
第2章 ネガティブ本能 「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
第3章 直線本能 「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
第4章 恐怖本能 危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
第5章 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
第6章 パターンか本能「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
第7章 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
第8章 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
第9章 犯人捜し本能 「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
第10章 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
第11章 ファクトフルネスを実践しよう

ブックデータ

2020年上半期ビジネス書ランキング1位、3冠達成!
※オリコン調べ、日販調べ、トーハン調べ
読者が選ぶビジネス書グランプリ2020 総合グランプリ第1位
90万部突破

著者:ハンス・ロスリング 、 オーラ・ロスリング 、 アンナ・ロスリング・ロンランド

この本もおすすめ