『とことんー孫正義物語』~実業家・孫正義の伝記小説

とことん孫正義物語
  • ソフトバンク・孫正義の子ども時代から青年時代をえがく伝記物語
  • 小学校高学年から中学生向け

孫正義の子ども時代

日本を代表する実業家である孫正義さん。

日本で最初に立ち上げたのは、社員二人だけの小さな会社でした。そこから会社は急成長を遂げ、いまソフトバンクグループはパソコン、インターネット、携帯電話などの情報技術のほかに、ロボット開発やエネルギーの分野にも事業を広げています。プロ野球チーム「福岡ソフトバンクホークス」のオーナーであり、世界ではじめての感情を持った人型ロボット「ペッパーくん」の開発にも成功しました。

実業家として大成功をおさめた孫正義さんのビジネスに関する書籍はたくさん出版されていますが、その生い立ちや子ども時代について語られるものはあまりありません。孫正義さんが、どんな子ども時代を送ったのか?

この本では、福岡県北九州市で過ごした小学校6年生の時から中学時代、そしてアメリカ留学時代を経て日本に戻ってくるまでが描かれています。

自分のルーツと向き合う青年期

孫正義さんの生まれは、佐賀県鳥栖市。祖父母は韓国から日本にやってきた在日韓国人でした。その後、福岡県の北九州市に家族で移り住みます。

クラスで困っている友だちを放っておけない熱血少年だった小学生時代。

日本国籍ではないためにあきらめざるを得なかった夢。韓国籍であることに悩んだ正義だったが、高校生の時に自分のルーツと向き合うために訪れた韓国で、自分がたくさんの人に支えられていることを感じ、韓国人であることの誇りを見つけます。この韓国での出会いをきっかけに、日本で実業家として成功するために、正義は日本を飛び出し渡米する決意をします。

司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を愛読し、坂本龍馬に憧れていた正義さん。土佐藩を脱藩し、江戸幕府を倒し新しい時代を作ることに尽力した坂本龍馬の姿に、新しい日本の時代を作ろうという自分の姿を重ねていたのではないでしょうか。

「人生は一度きり」孫正義の人生計画

「人生は一度きりだ。一度きりの人生、ぼくはどう生きる?」

「ぼくはやる。とことんやる。絶対にやる!」

「1分1秒を無駄にしないこと」

孫正義さんは、いつもこんな言葉で自分をふるい立たせていました。

時間を無駄にせず、できる限りのことを全力で取り組む。そんな強い思いから、正義さんは渡米してわずか三週間で高校生活を卒業します(!?)このエピソードはすごいです。ぜひ、読んでください。

大学に入学した19歳の時に正義さんは『人生五十カ年計画』を立てます。

  • 20代 名乗りをあげる
  • 30代 軍資金をためる
  • 40代 ひと勝負かける
  • 50代 事業を完成させる
  • 60代 次の世代に事業を継承する

まだ事業の内容も見つけていないうちに、人生の大きな設計をたてていたんですね。事業を成功させた後に次の世代の育成まで計画しているところに、未来を見据える広い視野の持ち主であることが伺えます。

孫正義さんは平成28年に「孫正義育英財団」を立ち上げ、能力のある若い世代の人材育成を支援する活動をしています。こうした活動も「次の世代の人材を育成する」ことからつながっているのかもしれないですね。

この本の中にも、孫正義さんが若い世代に伝えたいメッセージが込められています。

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