今村夏子『父と私の桜尾通り商店街』

今村夏子による6編の短編集。

目次

白いセーター(たべるのがおそい vol.3)
ルルちゃん(文芸カドカワ 2017年12月号)
ひょうたんの精(文芸カドカワ 2017年10月号)
せとのママの誕生日(早稲田文学増刊女性号)
モグラハウスの扉(書き下ろし)
父と私の桜尾通り商店街

白いセーター

わたしとわたしのフィアンセ伸樹さんの物語。ある日、伸樹さんの姉に子どもたちの世話を頼まれ、一日預かることになったのだが……。

ルルちゃん

サラサラの金髪ボブにくるんと上を向いたまつげ、薄茶色のまん丸おめめと小さなハート形のくちびる、ほんのりピンク色のほっぺたが愛くるしいルルちゃん。十年前に、わたしの部屋やってきた幼児向け人形ルルちゃんとわたしの出会い。

ひょうたんの精

チアリーダーのなるみ先輩にはひみつがあった。かつてなるみ先輩はだれよりも高くジャンプした。すごいデブだったはずなのに。なるみ先輩の栄光と挫折の秘密を握るひょうたんの精の物語とは。

せとのママの誕生日

むかし「スナックせと」で働いていたアリサ。カズエとわたしは、誕生日を迎えるママを祝うパーティーのために久しぶりに集まった。むかし話に花が咲くが……。

モグラハウスの扉

工事現場の作業員として働いているモグラさんと仲良くなった小学生のわたしたちは、学童の松永みつこ先生とモグラさんに出会いを仕向けるのだが……。この短編集の中で一番気に入った話です。

父と私の桜尾通り商店街

桜尾通り商店街でパン屋を営む父は、もうすぐ店をたたんで故郷に帰ろうとしている。客も来ない商店街のはずれで、材料がすべてなくなったら店を閉めるつもりだったが、ある日、ひとりの女性がやってきてコペパンをひとつ買っていく。これが、店をたたむ予定を狂わせてしまう。

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