『6この点/点字を発明したルイ・ブライユのおはなし』

『6この点/点字を発明したルイ・ブライユのおはなし』
  • 10代で点字を作った偉大な発明家ルイ・ブライユの少年時代を描く伝記絵本
  • 安東みきえ(椋鳩十児童文学賞受賞)×ミロコマチコ(講談社出版文化賞絵本賞受賞)

人類がグーテンベルク(ドイツお印刷業者・活版印刷技術の発明者)の恩恵を受けた用に、わたしたち目の見えないものは、ルイ・ブライユの恩恵を受けたーヘレン・ケラー

あらすじ

ルイ・ブライユは、目の見えない人たちに読む力を与えた発明家である。そのころ、知識はみんな本の中にあった。文字を読むことができない人たちは、十分な教育を受けることができなかった。目の見えない人たちにとって、それは可能性の道を断たれることを意味していた。
見えないことで、彼らは「学び」を諦めざるを得なかった。

ルイ・ブライユが作り出した6つの点で作る点字は、目の見えない人たちに知識と希望を与えたといえる。この発明のすごいところは、この時ルイが発明した点字が現代でもそのままの形で使われているということと、当時ルイは15歳だったということ。世界中にたくさんの素晴らしい発明はあるが、こんな偉大な10代の発明家がほかにいるだろうか。

『6この点/点字を発明したルイ・ブライユのおはなし』は、ルイ・ブライユの人生を綴った絵本。

ルイ・ブライユは賢くて好奇心が旺盛な男の子。馬具をつくるパパの仕事を見ているのが大好きだったが、不慮の事故で目に傷を負ってしまい、5歳になるころには、すっかり目が見えなくなってしまう。学ぶことが好きだったルイは、みんなと同じように本を読みたいと強く願う。

当時も、目の見えない人たちのための「点字」はあった。そのころの点字は、ひとつの文字が手のひらぐらいある巨大なもの。ひとつの文で、ページの半分も使うようなものだった。あっという間に1冊の本は終わってしまう。どんなにたくさんの本を読んでも、得られる知識はわずかなものでしかない。

どうすれば、みんな、わかってくれるだろう?
本がなければ、ぼくはいつまでも「かわいそうなルイ・ブライユ」なんだ。ぼくはいつでも、みじかいくさりいつながれた犬のように、ひきとめられている。

もっと本が読みたい。

ルイは、もっと簡単で読みやすい新しい点字を作り出すことを思いつく。ヒントになったのはフランス軍が使っていた秘密の暗号だった。そして15歳の冬、6つの点だけを使いすべてのアルファベットを表すという新しい点字が完成した。

文字を読むことは、新しい世界へ飛び立つための翼を手にすることだ。 この点字の発明は、目の見えない人たちと本をつないだだけでなく、人と人をつなぐ新しいコミュニケーションも生み出している。ルイのはつめいは、目の見えない人たちだけでなく、すべての人にとって偉大だと言える。

ブックデータ

著者:ジェン・ブライアント
イラスト:ボリス・クリコフ
翻訳:日当 陽子
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絵本: 34ページ
出版社: 岩崎書店
発売日: 2017/8/10

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