【児童文学作家・福田隆浩】高学年・中学生におすすめの本

福田隆浩の小説3点『熱風』『ふたり』『夏の記者』

福田隆浩さんは、本好きな小学校中学年から高学年におすすめしたい児童文学作家さんのひとり。福田さんの物語の主人公は、小学校高学年から中学生の男の子や女の子たち。学校や生活の中で、小さな悩みや不安を抱えています。福田さんの物語は、そんな日常に小さな謎解きというスパイスを振りかけて、子どもたちの成長を描くストーリーが魅力です。

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子どもの悩みや不安と向き合う力

学校が本当に楽しくて大好き!という人もいれば、どことなく学校に不安を感じる人もいますよね。特に高学年や中学生になると、友達だちやクラスメイトとの関係も少し複雑になるものです。また、成長そのものへの不安も当然あります。

福田さんの物語の中に登場する子どもたちも、学校や社会のなかでそれぞれ不安を感じています。人気作品『ふたり』では、転校生のクラスメイト・小野さんが嫌がらせを受けていることを知るところから物語がはじまります。主人公のふたりは、学校でみんなといる時の自分とそうではない時の自分との間で小さく揺れ動きます。『ひみつ』や『ブルーとオレンジ』も、いじめをテーマにした物語です。『ひみつ』の明里は、転校したばかりの学校でいじめの真実を暴こうとひとりで奮闘します。『ブルーとオレンジ』では、なんとなくクラスに居心地の悪さを感じているふたりの男女の心の中が細かく描かれています。もしも自分だったら、どんな行動を取るだろうか、または、自分はこの物語の中でだれに似ているだろうか、と読み進めたくなる物語です。

障がいをもつ人たちを当たり前にとらえる

福田さんの物語の物語には、障がいをもつマイノリティの方がよく登場します。『熱風』『この素晴らしき世界に生まれて』の主人公は、聴力い障がいをもつ子どもたちです。『熱風』の孝司は、ろう学校に通う中学生、『この素晴らしき世界に生まれて』の里美は小学6年生ですが、進路についてろう学校の中学校と普通の中学校のどちらに進むべきか迷っています。障がいは彼らの悩みのひとつですが、物語を読んでいくと、それは彼らの一部でしかない、ということにも気づかされます。社会の中で人とどう向き合うか、という悩みはこの世代の共通したものです。

主人公以外にも、障がいを持つ人がさりげなく登場します。例えば『ひみつ』の小野さんのお母さんは耳が聴こえません。『夏の記者』にも支援学校に通う女の子が登場します。障がいを持つ人たちを描く物語やノンフィクションは多いですが、福田さんの小説では、障がいを持つ人を特別な存在ではなく、みんなと同じように悩んだり迷ったりするふつうの人たちとして描いています。ここには、福田さんの思いが込められているように思います。
福田さんは、児童文学作家であると同時に、支援学校の先生をしています。福田さんの物語は、障がいを社会はどう受け止めるべきか、考えるきっかけにもなります。

福田さんの物語にはさまざまな人が登場しますが、どの物語もやさしい文章がすっと心に入り込んでくるようなそんな物語です。ぜひ読んでみてください。

小学生におすすめの本

小学校中学年・高学年に特におすすめしたい福田隆浩さんの本を紹介します。小学校中学年・高学年なら『ふたり』がおすすめ。なにを読もうかなと迷ったらここから見つけてみませんか。

ふたり

【小学校中学年・高学年におすすめ】
転校生の佳純がクラスでいじめにあっていることに気づいた准一。読書の好きなふたりは、同じミステリー作家・月森和のファンであることがわかり意気投合。月森和が別名義で作家活動をしていると知ったふたりは、協力してその作品を見つけようとします。

ぼくたちは、小学校では毎日顔を合わせている。
でも、そこでのぼくたちは本当のぼくたちじゃない。

ふたりの謎解きと、近づく気持ちにドキドキ。

ブルーとオレンジ

【小学校中学年・高学年におすすめの本】小学5年生の男の子・ブルーと女の子・オレンジ。ふたりは同じ学校のクラスメイトでごくごくふつうの子。教室の中になんとなく漂っている力関係やそこからいじめにつながりそうな不穏な空気を感じた時、ふたりはどんなことを思い、どうするのか。きみならどうする?と問われるような作品です。

ひみつ

【小学校中学年・高学年におすすめ】
夏休み中のこと。転校先となる小学校を訪れた明里は、図書館でひとりの女の子と出会い、同じ本の話題で盛り上がります。そして新学期、転校してみると、その女の子は意識不明の重体となっていました。疑問を感じた明里は、真実を探りはじめますが……。クラスの中にあるいじめの可能性に気づき、ひとりで戦う姿にドキドキします。そして、明里の強さに心を打たれます。

グッバイマイフレンド

【小学校高学年向け】6年1組の教室にひとつだけ空いている机がある。クラスメイトのタクヤくんが座っていた席だ。ある日突然いなくなってしまったクラスメイトの死をどう受け止めてたらいいのだろうか。きっと忘れない6つの物語。

中学生におすすめの本

福田隆浩さんの小説から、小学校高学年から中学生におすすめしたい本をまとめました。『熱風』はぜひみんなに読んで欲しいおすすめ本です!

熱風

【高学年・中学生におすすめ】ろう学校に通う中学生の孝司は、小さなチームでテニスを続けている。別のテニスサークルからやってきた中山とダブルスを組んで試合に出場することになったのだが、気が合わず反発してばかりのふたり。強がりの中山だが、人に知られたくない悩みを抱えていた。ぶつかりながらも、テニスへの情熱とまっすぐ向き合うふたりの青春を味わってくださ~い。第48回講談社児童文学新人賞佳作入選。

声で言葉を伝え合うことのできないふたりは、ノートに文字を書きつけながら会話を積み上げていく様子がきゅんです。

この素晴らしき世界に生まれて

【小学校高学年・中学生におすすめ】
里美はろう学校に通う6年生。補聴器なしではほとんど音を聞き取ることができない。ある日、里美は図書館で古い1冊の本と出会う。ひらくとかすかにバラの香りがするその本に惹きつけられた里美は、どうしても欲しくなり、バックにしのばせてしまう。1冊の本を通して出会った老婆との交流の中で、里美は自分の悩みと向き合い、自分を見つめていく。

夏の記者

【高学年・中学生におすすめ】地元新聞社の企画で”夏の記者”に選ばれた佳代ですが、全く記事が書けない毎日。ある日、スポーツドームの前でちょっとした騒ぎに遭遇します。ガラスに投げつけられた煉瓦の破片、走り去る自転車…気になり取材を進めた佳代は、思いがけない真実を見つけます。

君にもやがてわかるときがくるよ。社会に出て、現実にもまれてみればね。青くさい理想ばかりを追い続けていると、多くの人に迷惑をかけてしまうことになるんだよ。後悔してからじゃおそいんだよ。(本文より)

ギズギスしてモヤモヤする社会や現実を変えて行くのは、君たちだ!
なんてね。

福田隆浩さんのプロフィール

1963年佐賀県生まれ。長崎県に在住。
特別支援学校教諭として勤務のかたわら執筆した『この素晴らしき世界に生まれて』でデビュー。以降、小学校高学年におすすめの児童書をたくさん刊行しています。
【受賞歴】
『この素晴らしき世界に生まれて』…第2回日本児童文学者協会長編児童文学賞
『熱風』…第48回講談社児童文学新人賞
『ひみつ』…第50回野間児童文芸賞最終候補作
『ふたり』…2014年青少年読書感想文コンクール課題図書
『幽霊魚』…2016年読書感想画中央コンクール課題図書

福田隆浩の作品一覧

本のタイトルレビュー
この素晴らしき世界に生まれて📕
熱風
赤毛の医女アン シリーズ
夏の記者
ひみつ
グッバイマイフレンド📕
ふたり📕
ブルーとオレンジ📕
幽霊魚📕
手紙 ふたりの奇跡
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この本の担当者
ゆう

ぶっくす雨だれの店主。
好きなこと:本を読むこと、食べること。
苦手なこと:そうじ
学校図書館あちこち。ブックカフェを開くのが夢です。

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