福田隆浩『ふたり』

福田隆浩『ふたり』

学校という場所は不思議なもので、「ひとり」でいるととても寂しい。家でひとりでいるときは寂しくないのにね。「みんな」いっしょじゃなくても、「だれか」がいてくれたらそれだけで、学校は楽しい場所になる。

福田隆浩さんの物語に出てくるこんなふたりの関係は、すごくいいなぁと思う。

本の紹介

放課後に転校生の小野佳純さんの机に女子数人が何かをしているのを見てしまったは村井准一は、どうしてもそのことが気になって、友達と別れた後にこっそり六年三組の教室へ戻って小野さんの机を覗きこんでいた。ちょうどその時、教室の扉がいきなり開いたかと思うと、そこに立っていたのはなんと小野さん本人だった……。

クラスでこっそりといじめにあっている転校生の小野佳純とそのいじめを見つけてしまった村井准一は、二人とも同じミステリー作家、月森和が大好きだったことを知って仲良くなる。その月森和が別名で他にも本を書いていることと、実はその秘密が既刊本の中にあるらしいという情報を得た二人は、図書館へ通って謎説きに夢中になるのだった──本が大好きな二人の淡い恋と友情の物語。

著者・福田隆浩

1963年、佐賀県生まれ。長崎県に在住。
特別支援学校教諭として勤務のかたわら執筆した『この素晴らしき世界に生まれて』が、第2回日本児童文学者協会長編児童文学賞受賞し、デビュー。小学校高学年におすすめの児童書をたくさん刊行しています。

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著者:福田隆浩
出版社: 講談社
単行本: 226ページ
発売日: 2013/9/25

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