小学校高学年に読んで欲しい”いじめ”をテーマにした物語

小学校高学年に読んでほしいいじめをテーマにした本

突然ですが、みなさんは【いじめ】が好きですか?
好きという人やよくわからないという人は、もしも自分がいじめられたとしたら、どうだろう?きっと毎日学校に来るのが楽しくないって思うはず。
ところでみなさんの教室では【いじめ】がありますか?えっ?あるの?それは、大変ですね。だって、そんな教室、だれも好きじゃないでしょう。私だったら登校拒否しちゃうな。
できれば【いじめ】をなくしたいと考えているあなたに、解決するヒントになる本を紹介します。
ここで紹介するのは【いじめ】があるクラスばかり。困っちゃうよね(*´Д`)
みんな嫌いだし、よくないことだとわかっているけれど、なかなかなくならない【いじめ】。どうしたらいじめがなくなるのでしょう?【いじめ】についてみんなで考えてみませんか。

福田隆浩『ブルーとオレンジ』

いじめって嫌い。いじめのある教室の雰囲気ってなんだがピリピリしていて嫌ですよね。この本に出てくるふたりの主人公も同じです。
男の子・ブルーと女の子・オレンジ。仮の名前です。
ふたりはごくふつうの小学5年生。クラスメイトです。
クラスの中になんとなく漂う力関係を「なんだか面倒くさいなぁ」と思っています。
大丈夫、それはすごくふつうでまともな感覚です。ごくふつうに平和に過ごしたいと思っているのですが、教室の中に”いじめ”が始まりそうなあのいや~な雰囲気が漂いはじめます。敏感なふたりは、いち早くキャッチしてしまうのです。できるだけ面倒なことに関わりたくないなぁと考えているふたりですが、さて、ふたりはどんな行動を取るのでしょうか。最後はスカっとできまる物語。

岩瀬成子『きみは知らないほうがいい』

ここのクラスも、なんとな~く嫌な感じなんです。主人公の米利(めり)は、5年生の時学校に行けなくなったことがあるという女の子。みんなの中にいると、気遣いしすぎて疲れたり、教室にうまくなじめないって感じています。そんな米利は、6年生になり転校してきた昼間(ひるま)くんのことがなんだか気にかかります。教室の中で少し浮いている昼間くんに自分を少し重ねているのかもしれません。ある日、米利はバスの中で昼間くんに会います。どこへ出かけるのか尋ねた米利に昼間くんはこう言いました「きみは知らないほうがいい」。すこし謎めいている言葉ですね。昼間くんは何が言いたかったのか。米利はこっそり後をつけます…。うまくクラスに馴染めない、という人に読んでみて欲しいです。

重松清『星のかけら』

6年生のユウキは学校でも塾でもいじめにあっています。切なすぎます(T_T)
ある日、塾の友だちのマサヤから「星のかけら」の伝説を教えてもらいます。それを持っていると、嫌なことやキツいことがあっても耐えられるお守りだという「星のかけら」を、ふたりは探すことにします。それがあればいじめに立ち向かえそうな気がするからです。いじめをやめて!となかなか言えないのは当然。だって相手は意地悪な人なんだもの。さて、ユウキはいじめに立ち向かう勇気を手に入れることができるのでしょうか…。

エレナー・エスティス『百まいのドレス』

外国にも「いじめ」ってあるんですよ。特に女の子って難しいの。他の子よりも自分をちょっとすてきに見せたがたりしてね。「百まいドレスを持っている」と言ったワンダは貧しい移民の子であるために、意地悪な目にあいますが…。ちょっとした意地悪のつもりが「あんなことを言わなければよかった」と大きな後悔をすることもあります。いじめられたワンダも、そんなつもりじゃなかったまわりの子たちも、最後はみんな哀しい思いをします。もう一度、彼女に会って謝りたいと思っても、叶わないこともあるってことを忘れてはいけませんね。いじめをテーマにした物語ですが、イラストがとてもすてきだということも、ひとこと添えさせてね。

吉野万理子『いい人ランキング』

「いい人」ってなんだろう。クラスの投票で「いい人ランキング」の1位になった桃。人の悪口を言わないし、掃除はサボらないし、「宿題を見せて」と頼まれたら気前よく見せてくれる。そんな桃がみんなから「いい人」と呼ばれることで、なんだかクラス全体の雰囲気が変わってきます。みんなの中の自分について考えさせられます。

吉野万里子『赤の他人だったら、どんなによかったか。』

となり町で起こった傷害事件の犯人が自分の親戚だったら?そしてその子どもが自分の学校に転校してきたとしたら、あなたはどうするでしょう?みんなが見ている前でその子に声をかけてあげられる?なかなか簡単には想像できないですよね。なにかのきっかけで自分の身内がなにかの容疑者になってしまうのは、あり得ない話ではない。その時、まわりの人たちはあなたにどんな反応をするでしょうか。じつは、これはいじめを解決するひとつのヒントにもなります。本を読んであなたなりに考えてみてね。

まとめ

いじめについて考えるって、いい気分ではありません。
暗くなるし、嫌な気持ちになります。でも、考えないままではいじめはなくなりません。ここに紹介した本の登場人物たちは、いじめにあっていたり、いじめを近くでみているけれど、なんとなくそのことを考えないようにしています。はじめのうちはね。
だって、いじめについて考えるって嫌なものだもの。
でも、このままでいいのかな・・・と考えはじめるところがスタートではないでしょうか。
物語の中のお話は、あなたがいま抱えている問題を何も解決してくれないかもしれません。でも、まずは考えることがスタートです。ここで紹介した本がなにか考えるきっかけになったり、だれかの力になってくれるとうれしいです。
中学生・高校生向けのいじめをテーマにした本は、こちらにまとめています。

https://amada-re.com/ijime-shousetu/