- 小学校高学年から中学生向け
- いじめをテーマにした本
- 産経児童出版文化賞受賞
おばあちゃんの家に行くために乗ったバスの中で、米利(めり)は偶然クラスメイトの昼間くんと出会う。昼間くんは6年生になってからの転校生で、うまくみんなとなじめていない。「どこにいくの」と聞く米利に、昼間くんは「きみは知らないほうがいいよ」という。どういう意味なのか。
5年生の時、米利は学校に行けなくなったことがある。教室にいるとき、ひとりで透明な箱に入っているように感じる。教室では、読書感想文で賞をとった柳本さんの作文がインターネットからの盗作ではないかという噂が流れていた。クラスになじめない昼間くんのことも、みんなに噂され孤立する柳本さんのことも、米利は気にかかってしまう。
これはイジメなのだろうか? 教室の中に小さな悪意が芽吹いて、いつのまにかぐるぐると回り出す、あの感じ。困ったなぁ、と思う。米利や昼間くんのような少し大人びていてみんなになじまない子どもは、気遣いしすぎて疲れてしまうのかもしれない。そこになじめなくたっていいんだよ。
長谷川集平さんの描く表紙の雰囲気がちょっと寂しすぎるんですよね。
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◇産経児童出版文化賞受賞
出版社 : 文研出版
発売日 : 2014/10/24
ハードカバー : 182ページ